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故・藤井アヤ子さま儀/2015年6月30日
場所:證大寺江戸川本坊

枕勤めは、亡くなったということを
初めて実感できる大切な仏事。

住職

この度はご慈傷さまでございました。藤井さまからお義母さまがお亡くなりになったとのご一報を聞いて、急いでご自宅へ伺って「枕勤め」をさせていただきました。

藤井さま

ありがたかったです。主人が亡くなった時もすぐに来ていただいて。今回もお願いしなくてもすぐに来てくださって、住職と一緒に義母に手を合わせることができました。

住職

私としてはお願いして行かせてもらっている気持ちです。どうしてもそうしたくて。近頃では住宅事憐もあって、病院で亡くなって葬儀社さまのロッカー式安置所に入り、枕勤めをしないままお葬式という方も増えてきていますから。

藤井さま

自宅に戻ることなくそのまま…そうなんですか。

住職

そうなんです。ですから今回のようにご自宅にお伺いできる方はもちろんですが、證大寺でお葬式をされる方は、お寺で故人さまをお預かりして、必ず枕勤めをさせていただいています。

藤井さま

これまで枕勤めをすることが、普通のことだと思っていました。

住職

残念ながら、枕勤めをする方は減ってきています。亡くなってすぐは誰でも動揺して余裕がありませんから、ご家族も泣くに泣けない状況です。枕勤めを通して、亡くなられたことを改めて実感し、故人さまに向き合う心構えを確かめる大切な仏事なのですが…。

藤井さま

こういうことって、慣れないですものね。この10年の間に夫と義父を見送りましたけど、今までは大変でパタパタして。

住職

最近のお葬式では、喪主さまが何をすれば良いかがわからないままお葬式が進行してしまい、気が付いたらお葬式が終わってしまっていたというお話を、たびたび耳にします。
お寺はお葬式を遂行する側の立場ですから、もし喪主さまにそんな思いをさせてしまっては申し訳ない、負担を少しでも軽くしたいという思いから、證大寺職員が「喪主付き添い人」として、枕勤めからお葬儀が終わるまで喪主さまに寄り添うようにさせていただいております。今回、職員の大塚が喪主付き添い人としてお側に控えておりましたが、いかがでしたでしょうか。

藤井さま

今回は、おかげさまで今までで一番泣くこともできたし、とてもよかったと思いました。この家に嫁いで、義母と一緒に向き合う時間はあまりなかったんですけど、この5、6年前からすごく仲良くなって、実の親子以上になんでも話し合えて、良い関係が築けていたので、大塚さん(喪主付き添い人)に義母のことを聞かれた時も、いろいろしゃぺりたくなっちゃってね。

枕勤めは、亡くなったということを
初めて実感できる大切な仏事。

住職

1時間くらいお話しできたと聞いています。大塚が藤井さまからお伺いしたお話は「故人さまの歩み」という書面にまとめて、お葬式の時に私から皆さんにご紹介させていただきましたね。

藤井さま

そのことが、とてもよかったと思いました。住職にご紹介いただいて、それを親戚たちと一緒に聞いて。自分で話した内容だけど、住職にあらためて読んでもらうと違いますね。なんだかジーンときちゃって…ありがとうございました。

住職

私も読ませていただいて、故人さまのお人柄が伝わる、とても良い内容だと感じました。人は他人に言われてあらためて気づくところがありますから、間いている方も「ああ、本当に大事な人だったなあ」と再認識できるんですよね。お葬式の最後に「家族の時間」がありましたが、その時はどんな時間を過ごされましたか。

藤井さま

私は義母が入院先で亡くなるまでの2週間も、それまでもずっと傍にいることができたので落ち着いてお別れができましたが、孫たちは皆泣いていて。娘が「ちゃんと一生懸命やってればそんなに泣くこともないんだよ」と。私もそうかなと思いました。

住職

お通夜とお葬式の時にお寺から「故人さまへの手紙」をお配りしましたが、それにお孫さんがいい絵を描いていらっしゃいましたね。

藤井さま

書いたお手紙はどうするんですか?

住職

あのお手紙は、ご参列の方全員にお配りしていて、郵便ポストにご投函いただくと證大寺に届く仕組みになっているんですよ。

藤井さま

ボストに入れるんですね。

住職

はい。お葬式が今では単なるお別れの儀式となってしまって、故人さまと向き合い出遇い直す大切な機会、という認識が少ないのです。「故人さまへの手紙」を通して、お葬式が故人さまと向き合い、出遇い直す大切な怠味があることを取り戻したいと願っています。お葬式を終えて、今のお気持ちをお聞かせください。

藤井さま

私はただただ、さびしいです。これからすごくさびしくなると思います。

住職

届いたお手紙は四十九日法要が終わった時に、喪主さまにお渡しするんですよ。四十九日法要が終わると、人も帰って静かになって、「ああ、さびしい」とあらためて思う方がたくさんいらっしゃるようです。お骨も家から無くなって、本当にいなくなってしまったような気がするんだと思います。その時に故人さまのことを書いたお手紙を読むと、死んでしまったのではなく、仏さまになっていつも導いてくださっているということが実感していただけるのではないかと思います。

藤井さま

ああ、それはいいと思います。参列者が多いお葬式だったら、私たちの知らない普段の会社の中での話や、違うところでの話を知ることができて、すごく嬉しいかもしれないですね。

住職

四十九日法要を終えて、すこし寂しくなってきたときに、参詣者が書いた「故人さまへの手紙」を受け取ることで、故人さまの言葉やエピソードを読むことができます。これも亡くなったはずの故人さまが残してくれた家族への愛ではないでしょうか。また四十九日法要や七日ごとの法要でお会いできますが、寂しい時はいつでも私たち僧侶や喪主付き添い人の大塚に会いに釆てください。お寺では毎日午前8時30分からお経をあげていますから、こちらにもいつでも来てくださいね。