勧められるがままの葬儀で想定外の請求。
自分が死んだ時に、
家族にこんな思いをさせないために。
お父さん、
幸せにしてくれてありがとう。
喪主様
お父さん(亡くなられたこ主人)はとにかく暇があるとね「俺、昭和浄苑、行って来るよ」って、言うんです。病院に通っている間でさえも、病院が終わるともう「昭和浄苑(寺子屋サークル)行って勉強してくるよ。皆に会ってくる」そればっかりでしたから。
付き添い人
星野さま(故人)は、亡くなる一年ほど前から熱心に仏教講座にも参加されていましたよね。歴史に詳しく、向学心もあって、わからないことを調べては、次回報告してくださいました。
喪主様
私も最初のころは、闘病中なのに「なんでそんなに昭和浄苑へ行かなければならないの?」って訊いたことがあるんですよ。そうしましたらね、「あそこに行くと俺、すごく落ち着くんだよ。すこく落ち着いて病気と闘う力が貰えるんだよ。俺はあそこが一番落ち着くんだよ」と言って。そう言われちゃうと私、お父さん行かなくて良いよ、って言えないんですよ。だから「お父さん行っておいで、お父さんが和むんだったら、行ってらっしゃいよ」って…。
付き添い人
お体も心配ですけどね、お父さんがそうおっしゃるならねえ…。そんな大好きだった場所でご家族に囲まれて見送られて、ご主人もさぞ喜ばれているのではないでしょうか。
喪主様
はい。通夜の折、本堂に皆で泊まらせていただいたのが、本当に思い出になりました。あれは私、本当にうれしかった。そんなことができるなんて、考えていなかったから。棺桶の前で思わず、「幸せにしてくれてありがとう」と3回くらい言いました。
付き添い人
おっしゃっていましたね。
喪主様
本当に私、幸せでした。
仏さまに一番近いところで
お父さんを見送ってあげられた。
ご家族
お寺の本堂の葬儀って、テレビの中だけのものだと思っていました。セレモニーホールか自宅が当たり前だと思っていたので、仏さまを祀ってある本堂で、お父さんと一緒に一晩過こさせて頂いただけで、なんだか気持ちが清められたっていうか、
父の魂を弔えたかなって。私たちは、仏さまに一番近いところでお父さんを見送ってあげられたんだって。
付き添い人
枕勤めっていいますけど、最後にさまの前で死んでいく、もしくは間に合わない場合は最後に仏さまの前でお参りするんですね。生きているときに、迷っている私たちを導いてくれる信仰の仏さまなので、最後の最後に仏さまにご挨拶をして死んでいくのが理想だって言われていますね。
ご家族
祖母のお葬式の時は、勧められるがままのお葬式だったらしいんです。人もたくさん来ていて、本当に立派なお葬式だったんですが、父は逆にそこが嫌だったらしいんです。結局後から想定外のお葬式代金の請求が来てビックリして、父は自分が死んだ時に、家族にこんな思いをさせたくないという気持ちが強くなったみたいです。
喪主様
通っている病院までの道中で「お葬式のことは昭和浄苑に頼んであるから、お前、俺がいざって時にはそこに言ってくれよ」って、手帳みたいなものを私にくれて。病院に入院した時は「俺もいよいよその時が来ると思うから、本当に俺が死んじゃった時に慌てないように、早めに昭和浄苑の方に伝えておいてくれ」と言われて、連絡させていただきました。亡くなった時に来てもらう人のリストまで作ってあって。お父さん、この人は来ないと思うよ、とか、二人で笑いながら話したこともありました。本当に自分が愛した人たちだけに囲まれて逝きたかったらしく、義理で来る人は来なくていいから、本当に俺の最期を見送ってくれる人だけに連絡してくれっていう感じで、年賀状も全部整理してありました。
付き添い人
そういう方でした。全部行き届いて、家族思いのお父さんでしたね。お父さんとしてみたら、家族のことを考えてきっちりやっておきたかったでしょうね。
ただ泣くのではなく、
喜んでもらえる形で送ってあげたい。
喪主様
本当に感謝しています、ここでお葬式をやらせていただいて。お父さんが日ごろ何回も通っていた場所でお葬式ができたので、本当によかったです。昭和浄苑にお墓があるでしょう、皆さんに見守られてね、私自身も心強く思います。
ご家族
ただ泣くんではなくって、父が喜んでくれる形で送ってあげたいって気持ちがあったので、最後、みんなに囲んでもらってね、喜んで逝ってくれたかなって。出棺の時、父は、こんなにも近所の人に愛されていたんだなって…
付き添い人
そう言っていただけることは、私どもにとっても有り難いことです。今回、星野さまのお葬式を終えて、昭和浄苑の僧侶・職員で話し合ったときに、これが本当のお葬式だね、という話になりました。日ごろたくさんのお別れに立ち合わせていただく私たちにとっても、心に残る、すばらしいお葬式でした。