皆さんこんにちは。「お寺の掲示板」の時間です。この時間は、毎月一つの言葉を、仏教で捉えるとどうなるのか、ということをお話しさせていただくお時間です。
今月の言葉は「ありがとう」でございます。
「ありがとう」という言葉は、皆さんご存知の通り相手に感謝の気持ちを伝える言葉ですね。皆さんはしっかり周りの人に感謝の気持ちを伝えているでしょうか?「ありがとうございます」と口では言っていても心ではそう思っていない、なんていうことありませんか?
「ありがとう」を漢字で書くと、「有ることが難しい」有り難し、となります。そして「ありがとう」の反対は、「当たり前」なのです。
例えば、子供が初めて友達の家に遊びに行った時、そこでお菓子を出されると、その子は心から「ありがとう」と言います。それがその子の好物なら猶更です。しかし毎回お菓子が出てくると、当たり前になり「ありがとう」という気持ちが無くなってきます。そしてたまたまお菓子が出てこないと、「お菓子まだですか?」と催促したり文句を言ったりしてしまいます。その子の心の中ではいつの間にかお菓子が出ることが「当たり前」になってしまうのです。
仏教では「有り難い」事を「当たり前」にしてしまう私を教えられます。しかし、そのことに気付くことは難しいのです。
皆さんも、「ありがとう」というときには、「有り難い」ことを「当たり前」にしてしまう私だと教えてくださる仏さまのお言葉として、味わってみてください。
春江町の證大寺では、毎朝八時半から九時まで「お経と法話の会」が勤まっております。また毎月二十八日の朝八時半には、掲示板のお話をさせて頂きます。参加費・予約不要で、どなたでもご参加いただけますので、是非お参りください。お問い合わせは3653‐4499まで。
この番組は證大寺の提供でお送りしました。またお会いしましょう。