今月の言葉は映画『アナと雪の女王』から「ありのままの自分になるの」ということについて尋ねてみたいと思います。
雪の女王・エルサは氷を操れる能力を持って生まれます。周囲から生まれついた体質を否定され、心を閉ざし、氷と雪で作った自分だけの城に閉じこもりますが、実際は「ありのままの自分はきっと受けとめてもらえない」という疑いの城に閉じこもっているのです。お城から出ようと呼びかける実の妹・アナにまで氷の矢を放って攻撃をしてしまいます。
「ありのままの自分」とは、どのような自分なのでしょうか?人間は皆、だれよりも自分が可愛いものです。しかし、本当に自分を知り、愛する人は少ないのではないでしょうか。本当に自分を知るということは、あるがままの自分を受け入れるということです。あるがままの自分に目覚めた人を仏さまと呼びます。
仏さまは「そのままで良いんですよ」と教えてくれています。しかし、「そのままで良いんですよ」と言われても、私たちは、エルサのように「こんな自分ではだめだ」と落ち込みますし、むしろ「このままの自分で良いんだ」と頑なに心を閉ざしてしまい、偽物の自分を愛してしまいます。
「そのままのあなたで良いんですよ」と教えてくれる仏さまの言葉を信じて下さい。「ありのままの自分」になるのではなく、エルサがアナのことを信じたように。自分の認めたくない部分も含めて、そのままで良いと言ってもらえる自分に安心することです。