永代供養と納骨堂の違いをわかりやすく解説!費用や選び方も紹介
お墓の購入で納骨堂について調べていると、永代供養という言葉がよく出てきます。そのほかにも永代供養墓や樹木葬などの言葉もよくみかけます。これらの違いがわからないという方もいるのではないでしょうか。そこで納骨堂と永代供養の違いのほか、樹木葬や永代供養墓についても解説。さらに納骨堂の費用や選び方についても紹介します。
目次
●永代供養とは
●納骨堂とは
●納骨堂と永代供養の違い
●納骨堂の種類
●納骨堂と永代供養墓、それぞれの費用目安
●永代供養付き納骨堂を選ぶメリット
●永代供養付き納骨堂の選び方
●證大寺の納骨堂
●まとめ
永代供養とは
納骨堂について調べていると、永代供養という言葉もよくみかけます。しかし永代供養とは、特定の形のお墓をさすものではありません。供養の方法を表す言葉で、お寺などが永代に渡って管理・供養してくれるというものです。そのため子孫がお墓を継承できない場合も安心出来るというメリットがあります。
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納骨堂とは
納骨堂とは故人の遺骨を安置する屋内施設で、建物内に多数の収骨スペースがあるというものです。もともとは「預骨(よこつ)」といって一時的に遺骨を預かるための施設でしたが、現代では墓石はないものの、お墓の1種とされています。アクセスのよい立地に建てられていることが多く、複数の遺骨を納めるタイプもあることから、近年では人気のお墓となっています。
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納骨堂とは?お墓との違いやメリット、デメリットを解説
納骨堂と永代供養の違い
納骨堂はお墓の一種ですが、その多くが永代供養付きとなっているため、納骨堂=永代供養と混同されがちです。しかし納骨堂のほかにも永代供養墓や樹木葬など、永代供養付きのお墓があります。混乱しがちかもしれませんが、お墓を購入する際は違いをよく知った上で選択するようにしましょう。
納骨堂と永代供養墓の違い
納骨堂以外で永代供養してもらえるお墓として、永代供養墓があります。永代供養墓は基本的に「お墓の後継ぎがいなくてもお寺が永代にわたって供養をしていくお墓」のことです。そのため永代供養付きの納骨堂も、永代供養墓のひとつの形であるとされています。
納骨堂と樹木葬の違い
納骨堂とよく比較されるお墓に樹木葬があります。樹木葬もまた永代供養付きのものがほとんどであるため、永代供養墓の一種であるといえるでしょう。納骨堂と樹木葬の大きな違いは埋葬される場所にあります。納骨堂が建物の中なのに対し、樹木葬は屋外であるのが一般的です。また樹木葬も墓石はなく、その名の通り木々や草花などを墓標としています。
納骨堂の種類
納骨堂には遺骨を納める場所や納め方などにより、いくつかの種類に分けることができます。代表的なのは「ロッカー型」「仏壇型」「自動搬送型」の3種です。そのほかにも位牌型、墓石型などがあります。納骨堂の種類についてはリンク先の記事でも紹介しているので、ぜひご参照ください。
https://shoudaiji.or.jp/baton/post642/
納骨堂と永代供養墓、それぞれの費用目安
では納骨堂とそのほかの永代供養墓では、必要となる費用はどれくらい異なるのでしょうか。それぞれの費用目安を見ていきましょう。
納骨堂の費用目安
納骨堂の平均購入価格は約80万円で、永代供養の費用もこの中に含まれていることが一般的です。ただし実際に購入するとなると地域や立地条件だけでなく、納骨堂の種類によっても大きく相場は異なってきます。たとえばロッカー型だと20~80万円、仏壇型は50~150万円、自動搬送方の場合は70~150万円が費用の目安となります。
また遺骨の収容数によっても費用は変わり、個人用は10〜50万円、夫婦用は60〜80万円、家族用は100〜150万円が相場目安とされています。納骨堂では購入費用のほかに年間管理料等が必要になることも多いので、購入する場合はそれも勘案するようにしましょう。
永代供養墓の費用目安
納骨堂以外の永代供養墓の費用目安もまた、種類等によって変わってきます。墓石がある永代供養には、他の人と一緒に祀られる合祀型、1つの区画に複数の納骨スペースがある集合型、個人単位での埋葬となる個別型などの種類があります。費用の目安は合祀型で5〜30万円程度、集合型では20〜60万円程度、個別型は40〜150万円程度となっています。また個別型では個別安置期間に年間管理費がかかることが多いです。
納骨堂と並んで近年人気の樹木葬は、他の遺骨と一緒に埋葬する合祀型、埋葬スペースはほかの人と共有で遺骨は1人ずつ骨壺に収めて埋葬される集合型、個別の区画に1人もしくは家族単位で遺骨を埋葬する個別型があります。費用目安は合祀型では5~30万円程度、集合型は15~65万円程度、個別型では20~200万円程度とされていますが、納骨数や区画の大きさによって費用は変動します。また樹木葬には自然の山林を活かした里山タイプと、霊園の一角などにある庭園タイプがあり、庭園タイプの方が割高になる傾向があります。永代供養付きの場合はその費用も含まれていることがほとんどですが、運営管理費や埋葬手数料などが必要な場合もあります。
永代供養付き納骨堂を選ぶメリット
永代供養付きの納骨堂は比較的交通の便のよい場所にあることが多く、屋内で天候に左右されないため、お墓参りしやすいという理由で納骨堂を選ぶ方も多くいます。納骨堂にはこのほかにもメリットが多く、選ばれる理由となっています。
後継ぎがいなくても安心
永代供養付きの納骨堂は家族と一緒に入れるタイプも多いものの、継ぐことを前提としていないお墓なので、後継ぎがいなくても安心です。納骨堂では遺骨は一定期間の収蔵とされることが一般的です。納骨堂によってまたは契約内容によって期間はさまざまですが、七回忌、十三回忌、三十三回忌、五十回忌などを目安とされ、期間経過後は合祀とされる場合がほとんどです。
費用を抑えられる
一般墓よりも費用が抑えられるのも納骨堂のメリットといえるでしょう。一般墓の場合、墓石と永代使用料(墓地使用料)などで100~200万円程度かかるとされています。それに比べて納骨堂は費用を抑えやすい傾向にあり、家族用でも100万円程度で済むことも多いようです。
管理の手間が省ける
納骨堂では、遺骨の供養や管理はすべてお寺や施設が行ってくれます。基本的に屋内施設なので、墓石の掃除や草抜きといった作業も発生しません。また雨や風など天気の影響を受けないだけでなく、冷暖房完備で快適にお墓参りできる施設も多いです。さらに最近では年輩の方でも苦労なくお参りできるよう、バリアフリー化された納骨堂も増えています。
永代供養付き納骨堂の選び方
さまざまなメリットがある納骨堂ですが、従来のお墓と違う点もあるので選ぶときは注意が必要です。以下で注意しておきたいポイントをまとめました。
施設の雰囲気
どのような雰囲気の納骨堂なのか、どのような設備があるのかなどを確認するようにしましょう。施設内に休憩所や法要室などがあるかも、お参りのしやすさに関わってきます。さらに全体の雰囲気を見ることで、清掃などの管理体制も伺うことができます。納骨堂では屋内でお参りするものがほとんどですが、冷暖房が完備されていないと快適にお参りできません。また購入時はバリアフリーでなくても問題ないと考えていても、年齢を重ねると不便に感じることもあります。先々のことまで考慮して選ぶようにしましょう。
立地・アクセス
自宅からのアクセスや交通手段についても確かめるようにします。家族や親族がお墓参りに訪れることになるため、あまりに辺鄙な場所だとお墓参りに行きづらくなってしまいます。車で行くことが多いなら、渋滞しやすい場所を通るかどうかや、駐車場の大きさなども調べておきたいものです。また所要時間についてはパンフレットや資料だけでなく、実際に現地まで足を運んでみることをおすすめします。思いのほか電車やバスの本数が少なかったなどといったこともあり得るので、自分の目で確かめるようにしましょう。
宗教・宗派
納骨堂では「宗旨宗派不問」として、宗教や宗派を問わず入れるところが多いです。ただしお寺が管理している納骨堂の場合、宗旨宗派不問でも供養はそのお寺の宗旨宗派に準じて行われるのが一般的です。また一部のお寺の納骨堂では、檀家にならないと入れないところもあります。宗教や宗派について制約があるか否かを事前に確認しておくようにしましょう。
安置期間と納骨人数
納骨堂では安置期間や納骨人数などの条件が設けられていることがほとんどです。安置期間は「年間管理費を納め続ける限り」や「33回忌まで使用できる」など、納骨堂やプランによって異なることが多いです。また家族用の区画でも「納骨人⚪︎人まで」などと決められているのが一般的です。いつまで安置したいか、将来的に何人入ることになるかなどを考えた上で、条件に当てはまる納骨堂を選ぶようにしましょう。
規則や管理体制
納骨堂では参拝方法が一般墓と異なることがあります。参拝のルールは納骨堂ごとに違いますが、なかには火気厳禁で線香やろうそくを供えられない場合もあります。またお供え物は持って帰るなどといった規則があることも珍しくありません。開館・閉館時間が決められていることも多く、それ以外の時間帯はお参りできないのが一般的です。購入を考えている納骨堂のルールが、納得できるものであるかどうか事前に確認するようにしましょう。
また管理体制もどのようになっているかも重要で、できれば経営母体についても調べておきたいものです。お墓というと永遠に続くものだと思いがちですが、現実に事業継続が困難になって倒産した例もあります。倒産まで行かなくても、経営状態によっては清掃が行き届かないなど、サービスが低下する可能性があります。
費用
納骨堂の費用というと、購入時の初期費用だけに目が行きがちですが、そのほかに追加費用が発生する可能性があります。年間管理費のほか、将来に合祀される場合の費用も初期費用に含まれている場合とそうでない場合があるので、よく確認するようにしましょう。また法要の際の読経や供養の費用なども別途となることが多いので、それらにも注意が必要です。初期の総費用がどれだけかかるか、年間ではどのくらいの費用が必要になるのか、それぞれを詳細に確認して選ぶようにしましょう。
證大寺の納骨堂
写真:證大寺 江戸川の浄苑納骨堂
證大寺は東京都江戸川区にある真宗大谷派のお寺です。835年(承和2年)に建立された「続命院」が発祥の由来で、長い歴史を誇ります。最寄り駅から徒歩10分程度とアクセスしやすい場所にあるものの、閑静な住宅街に囲まれた静かな環境で、 境内には屋内納骨堂が設置されています。いつでも自由にお参りができて故人さまと向き合うための礼拝室を備えた、とても開かれたお寺です。
納骨堂は永代供養付きで、真宗大谷派の教義に則った供養が行われます。とはいえ過去の宗旨宗派は不問で改宗の必要はありません。もちろん檀家にならずに入ることができます。毎日の読経など、お寺ならではの手厚い供養で評判です。
納骨堂の区画は1人用と2人用のほか、最大8人まで入れる区画もあり家族で利用することもできます。さらに特徴的なのは「ペットも一緒に入れる納骨堂」であるということ。「人もペットも同じ命」という考えから、「愛するペットと一緒に眠りたい」という願いを叶えてくれます。
詳しくは下記のリンク先をご参照ください。
證大寺の納骨堂について詳しくは下記を御覧ください。
證大寺 浄縁納骨堂
證大寺の樹木葬については下記を御覧ください。
證大寺:https://edogawa2.eitaikuyou.life/
森林公園 昭和浄苑:https://higashimatsuyama2.eitaikuyou.life/
船橋 昭和浄苑:https://funabashi2.eitaikuyou.life/
まとめ
昔はお墓というものは末代まで継いでいくものでしたが、現代では選択肢が増えてさまざまな形のお墓や供養方法を選ぶことができるようになりました。その代表的なものが納骨堂であり、永代供養です。選択肢が多い時代だからこそ、それぞれの内容をよく知り、故人をどのように供養したいか、自分はどのように供養されたいかを考えて、お墓を選ぶようにしたいものです。