ペットのお墓はどうする?供養方法とペットと一緒に入れるお墓の選び方

ペットのお墓はどうする?供養方法とペットと一緒に入れるお墓の選び方
お墓

「ペットは大切な家族の一員」と考える方が増えています。ペットが最期を迎えた時「どうやって供養すればいいか」「人間と同様に供養できるか」と悩む場合もあるでしょう。そこで愛犬や愛猫などペットの供養やお墓はどうすればよいか、人間と一緒に入れるお墓はあるのかなどについてご説明します。

目次
●ペットを自宅で供養する方法
●ペットを墓地や寺院で供養する方法
●ペットと人が一緒に入れるお墓の種類
●大切なペットが亡くなった際の注意点
●ペットとしてではなく家族として見送りたい方へ。證大寺のペット供養
●まとめ

ペットを自宅で供養する方法

ペットを自宅で供養する方法

愛犬や愛猫など、家族の一員として一緒に生活をしていた大切なペットが亡くなった時、いつもそばにいれるから「自宅で供養したい」と考える方も多いでしょう。ペットの自宅での供養は、さまざまなメリットがあるもののデメリットもあります。

自宅の敷地内にペットのお墓を作る

自宅の敷地内などの私有地にペットのお墓を作ることは、法律的に問題ありません。庭などにお墓を作る場合、最近では土葬ではなく火葬にしてから埋葬するのが主流となっています。
埋葬した位置がわかるように、墓石や墓標を立てます。ネットなどでもペットの墓石は販売されていて、プレート板状の石に名前や似顔絵などを彫刻するタイプのものが6,000~30,000円程度です。好みの墓石をオーダーして作ることもできますが、価格は10万円以上と高額になります。

お骨を仏壇等に納めて手元供養する

ペットを自宅で供養する場合、最も一般的なのが手元供養です。庭などお墓を作る場所がなくてもよく、費用も比較的掛からないというメリットがあります。ペット専用の仏壇を置いた中に骨壺を納めて供養する場合が多いです。
ただし、家族の中にはペットの遺骨を家の中に置くことに抵抗感があり、反対される場合もあります。また人によっては気持ちの整理がつきにくく、ペットロスを長引かせることになる場合も。さらに飼い主が亡くなった後、家族が引き継いで供養してくれるかなど「後継者問題」が生じてしまう場合もあります。

ペットを墓地や寺院で供養する方法

ペットを墓地や寺院で供養する方法

自宅にお墓を作れない場合や、後々の管理や供養などが心配な場合は、墓地や寺院で供養してもらう方法もあります。

ペット霊園で供養する

ペット専用のお墓として「ペット霊園」と呼ばれる施設があり、その種類も人間と同様といっていいほど種類は多彩です。またペット霊園では埋葬だけでなく、遺体を引き取って火葬から行ってくれるところもあります。

合同供養塔などの共同墓地

複数のペットを合同して埋葬する墓地です。多くのペット霊園にあり、費用も比較的安く数千円~数万円が相場です。

個別の墓地

決められた区画に墓石を置くもので、よそのペットとは一緒にせず個別で埋葬します。
人間のお墓と同様に、区画の大きさや墓石の種類などにより価格もさまざまですが、10万円~数十万円が相場です。またお墓や埋葬の料金のほかに、毎年の維持管理費が必要なところが多いです。

納骨堂

ペット霊園では納骨堂があるところも多く、建物の中にある屋内型と屋外型があります。
埋葬の方法も合同で合祀するものと個別で納骨するタイプがあります。個別タイプでは、写真やお花などを供えられるところもあります。
一般的には墓地に比べ費用は抑えられますが、ペット霊園によってタイプやサイズがさまざま。相場としては、合祀の場合は5,000円~3万円、個別の場合は2万円~数十万円です。
また、年間管理料が発生したり、納骨堂に置かせてもらえる期間に限りがあったりする場合もあります。

通常の墓地や寺院で供養する

通常の墓地や寺院では、一般のお墓にペットの埋葬を許可しているところは少ないです。法律上では、人間とペットを一緒に埋葬することは禁じられていません。しかし仏教では宗派によっては動物などと同じお墓に入れるのはタブーとされてきたため寺院墓地の多くはペットと一緒に入れるお墓は多くはありませんでした。とはいえ現代では、全てのお寺が否定的というわけではありません。

ペットと人が一緒に入れるお墓の種類

ペットと人が一緒に入れるお墓の種類

寺院によっては否定的なところもまだ多いものの、最近では「ペットも家族」という価値観が広まって、人間とペットが一緒に眠れる民間霊園や寺院墓地も徐々に増えています。しかし故人がすでに合葬されているスペースにペットを追加で埋葬するということはできないため家族区画や個別区画を選ぶ必要があります。

一般墓

今あるお墓にペットも納骨したいと思っても、墓地の管理規約で禁止されている場合が多いです。禁止項目がなくても、管理者が拒否すれば従わざるをえません。また家族や親族などお墓に入る人やその関係者の承諾がないと、後々トラブルに発展しがちです。
ペットと一緒のお墓に入りたい場合は、ペットと共葬できる墓地や霊園を探すことをおすすめします。民営霊園では宗教不問とするなど宗教色が薄いため、ほかと比べてペットと入れるお墓を用意しているところが多いです。

永代供養墓

永代供養墓とは、お墓の継承者がいなくてもお寺や霊園が供養を続けてくれるというものです。
永代供養墓は合葬墓、個別墓などの種類がありますが、ペットと一緒に入れる永代供養墓は、個別型もしくは家族単位で入るタイプのものになります。

樹木葬

樹木葬は、木や草花を墓標とするお墓のことです。基本的に承継を前提としないお墓で、永代供養してくれるので跡継ぎが不在でも安心して利用できます。
樹木葬ではペットと一緒に入れるものもあれば、ペット用に別にお墓を設けるというものもあります。ペットと一緒に入れるお墓は、永代供養墓と同じく個別型や家族型のものになっています。

納骨堂

納骨堂とは骨壺に入れた遺骨を安置する施設です。ペットと一緒に入れる納骨堂はまだ数があまりありませんが、都心などでは少しずつ増えています。

大切なペットが亡くなった際の注意点

大切なペットが亡くなった際の注意点

大切なペットが亡くなったら、悲しみでいっぱいになってしまうでしょう。とはいえ後悔することがないように、ペットが元気な時から亡くなった際の注意点を知っておきましょう。

土葬の場合は、骨になるまで年月がかかるため注意が必要

自宅の敷地内にペットを土葬することは、法律的には問題ありません。
ただし土葬にすると、小動物や小鳥でも骨が完全に土に還るまで10年~数十年という年月がかかることもあります。また土葬したことで虫が集まったり、異臭がするなど、近隣に迷惑をかけることも。さらにはほかの動物によって掘り返されてしまう可能性もあるので、十分な注意が必要です。それでも土葬にしたい場合は、できるだけ深く穴を掘るなどしてしてあげましょう。
また、公園や河川敷など公共の場に埋葬することは、法律で禁じられています。

火葬の場合は、「合同火葬」か「個別火葬」かを確認すること

ペットの火葬は、葬儀社や霊園などに依頼できます。小動物から大型犬まで対応可能なところがほとんどです。火葬方法は「合同火葬」と「個別火葬」の2つに大きく分けられます。

合同火葬

合同火葬は同時期に亡くなったほかのペットの亡骸と合同で火葬するというものです。ペット火葬業者が自宅まで遺体を引き取りにきてくれることが多く、ペットとは自宅でお別れとなります。
合同火葬すると遺骨が混ざり合ってしまうため、遺骨の返却はされません。火葬費用を抑えたい場合や、寂しくないように旅立たせたい方は合同火葬がよいでしょう。

個別火葬

個別火葬には、「一任個別火葬」と「立ち会い個別火葬」、「訪問火葬」があります。
「一任個別火葬」では飼い主は火葬に立ち会わず、業者のスタッフに全てまかせるというものです。悲しみで火葬の場に立ち会えないという場合におすすめです。火葬後は業者のスタッフが遺骨を自宅まで届けてくれる場合が多いです。
「立ち会い個別火葬」は、火葬をしっかり見届けられ、依頼する業者や霊園によっては読経も行われます。火葬後は遺骨の収骨ができることも多いです。
「訪問火葬」は、移動火葬車がやってきて自宅の駐車場などで火葬を行うというものです。遺骨の収骨までできる場合が多く、住み慣れた場所で旅立たせてあげたい方におすすめです。ただし地域の条例や環境によっては他の場所に移動して火葬になる場合もあります。

ペットの遺体を自治体に依頼する場合は、一般の可燃ごみと一緒に焼却されることがある

地域によっては自治体がペットの火葬を請け負ってくれることもあります。業者に依頼するより費用がかからないというメリットはありますが、手厚い供養を受けられるわけではありません。
法律上はペットの遺体は、自治体によっては一般の可燃ごみなどと一緒に廃棄物として焼却されます。もちろん火葬に立ち会うことはできず、遺骨が返ってくることもありません。

犬の場合は、死亡届の提出が必要

猫やほかのペットは必要ありませんが、犬が亡くなった場合は30日以内に「死亡届」を出す必要があります。これは自治体の保健所などが狂犬病の予防管理をしているためです。犬を飼うときの届け出と同じように、ペットの犬の性別や登録年度、死亡した日などを記入して提出します。

ペットとしてではなく家族として見送りたい方へ。證大寺のペット供養

ペットとしてではなく家族として見送りたい方へ。證大寺のペット供養

大理石で抱きしめやすい太さと高さの、個別型永代供養墓 安堵

家族として迎えたペットを大切な家族の一員として見送りたいなら、江戸川区にある證大寺のペット供養を利用してみてはいかがでしょうか。火葬やお墓はもちろん、喪失感やつらい気持ちに寄り添ってくれるグリーフケアの対応もあります。
グリーフケアについて詳しくはこちら

ペットを家族の一員として入れるお墓

「経典には“各皆一等”という教えがあり、人、犬、猫、鳥、といった種別を超えて、それぞれが一つで等しい命を持っている」と考え、ペットと人が一緒に眠れるお墓もご用意しています。

東京都江戸川区にある證大寺では、ペットが家族といつまでも一緒にいられる「藤と桜の樹木葬」のほか、ペットと一緒に入れるあらゆるお墓が用意されています。埼玉県東松山市と千葉県船橋市にある昭和浄苑 證大寺にも同様のお墓が用意されています。

グリーフケアを含めた毎月の法要

葬儀とお墓だけでなく、ペットを失って辛い
気持ちに寄り添ってくれるのもポイントです。證大寺昭和浄苑では、證大寺では毎月第3土曜日、森林公園 昭和浄苑では毎月第2土曜日、船橋 昭和浄苑では毎月第4土曜日にペットのグリーフワークと法要を行っています。
ペットロス専門士の資格を持つ僧侶と職員が悲しみに寄り添い、ペットと家族になった意味を考えながらペットに手紙を書き、お炊き上げすることで気持ちの区切りがつけられるよう導いてくれます。
昭和浄苑にペットが埋葬されていない方でも受け付けているので、まずは一度参加してみてはいかがでしょうか。
ペットという、かけがえのない家族のお葬式・お墓・法要は「&(安堵)」

まとめ

まとめ

家族の一員として過ごしたペットが亡くなったら、しっかり供養したくなるものです。どのように見送るかは考え方次第ですが、人間と同様に扱いたい、同じお墓に入りたいと考える方も多いでしょう。さまざまな方法をご紹介しましたが、ペットとの思い出や家族の希望を考慮して一番後悔しない方法を選択してペットの供養を行ってください。

ペットのお墓と供養方法に関する監修
仏教人生大学 講師
加藤 順節

PROFILE
真宗大谷派の僧侶として、證大寺 船橋別院所属。證大寺 銀座別院で仏教入門講座など多数講師を務めており、さまざまなテーマで仏教から人生を学ぶ講座を開催している。

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