樹木葬でよくあるトラブル10撰!失敗しないための対策を紹介

お墓

近年人気が高まっている樹木葬。比較的新しいタイプのお墓で、決まった定義が確立していないため、霊園や墓地によって形態もルールもさまざまなものがあります。そのせいか購入した後でトラブルが発生したり、後悔したりする方もいるようです。そこでトラブル事例を紹介するとともに、樹木葬で失敗しないための対策について説明します。

目次
●樹木葬でよくあるトラブル10撰
●樹木葬のトラブルを防ぐための対策
●費用だけで決めない!樹木葬メリットとデメリット
●樹木葬を購入する手順
●お寺だからこそ選ばれる!證大寺の樹木葬
●まとめ

樹木葬でよくあるトラブル10撰

樹木葬でよくあるトラブル10撰
樹木葬とは木や草花を墓標とする新しいスタイルのお墓です。しかし同じ樹木葬でも、埋葬場所や埋葬方法、管理の形態や費用など、墓地や霊園によってさまざまなのが実態です。購入後に残念な思いをしないよう、まずはありがちなトラブルの事例について見てみましょう。

【1】都市から離れ、アクセスが悪い場合が多い

樹木葬は大きく分けて「里山タイプ」と「庭園タイプ」があります。里山タイプの場合は、自然の山林を活かして広めの用地を確保している場合が多いため、都市から離れた場所にあるなどアクセスが悪いことも往々にしてあります。一方、庭園タイプは墓地や霊園の一角など比較的アクセスしやすい場所にあり、区画も整備されていることが多いです。

【2】お参りの場所が他の利用者と共有

樹木葬の中には、お参りするスペースが他の利用者と共有となっている場合があります。そのような場合、お彼岸やお盆などお参りにくる人が多い時期など、落ち着いてお参りできないと感じるかもしれません。また場合によっては、他の利用者とトラブルになる可能性も。ゆっくり故人を偲びたいのなら、個別にスペースが設けられている樹木葬を選ぶようにしましょう。

【3】線香やお供えができない

【3】線香やお供えができない
樹木葬では庭園タイプ・里山タイプにかかわらず、防火のために線香やロウソクを禁止しているところがあります。また害虫・害鳥等による被害を避けるためにお供えが禁止されているところや、美観を保つためにお供えの花が供えられないところもあります。またお供えが禁止されていなくても供物台が共有の場合は、あまり自由にはお供えができないこともあります。樹木葬ごとにルールは異なるので、線香やお供えを重視したい場合は、契約前にどのようなルールになっているかを必ず確かめるようにしましょう。

【4】庭園の手入れなどの管理が不十分

庭園タイプの樹木葬のでは、管理者によって手入れされている場合が多いといえますが、それでも手入れの頻度やどこまで行き届いているかは樹木葬によって異なります。「春は花に囲まれていたのに、冬には寂しいくらい殺風景」ということもあります。
里山タイプは手入れされている場合もありますが、「自然に還る」という考えからあえて行き届いた手入れを行っていないところもあります。場合によっては納骨した場所がわからなくなってしまうトラブルもあります。自然回帰の趣旨を理解できるか、それとも管理が不十分だと思うか、遺族の心持ちによって感じ方も変わります。
どちらの場合も事前に、よくない口コミがあるか確認し、現地を見学して調べるようにしましょう。

【5】納骨できる人数に制限がある

樹木葬はほとんどの場合、納骨できる人数に制限があります。1人もしくは少人数であることが前提のものが主流で、一般墓のように先祖代々で利用するものではありません。複数人で使用したい場合は、購入する前に何人で利用するのか計画を立てておくようにしましょう。

【6】想定していたよりも費用がかかる

樹木葬が人気となっている理由の1つに「一般墓よりも費用が抑えられる」というものがあります。たしかに墓石を建てない分だけ、費用が抑えられる傾向にあります。しかし樹木葬では納骨人数が増えると費用が上がる場合がほとんどなので、人数が多くなるとそれなりの費用が必要となってきます。また樹木葬によっては年間管理費が別途必要だったり、納骨ごとに手数料がかかったりすることもあります。想定していたよりも費用がかかることもあるので、費用の詳しい内訳や購入後にかかる費用の有無などについても調べるようにしましょう。

【7】自然葬ではなかった

樹木葬=自然回帰というイメージを持つ方も多いでしょうが、実はそうではない場合もあります。一般的に庭園タイプの場合は「木々や花々にかこまれて眠る」といったイメージに近く、自然葬とはまた違ったものになります。
里山タイプは「自然に還る」イメージのものが多い傾向です。しかし骨壺に入った状態で埋葬されると土には還りません。一方、土に還るよう晒(さらし)などの袋に遺骨を入れて埋葬する樹木葬もあります。樹木葬のタイプだけでなく、埋葬方法なども調べて選択するようにしましょう。

【8】遺骨の確保が難しい場合がある

樹木葬にはほかの遺骨と一緒に埋葬される合祀型と、遺骨を個別に骨壺に入れて埋葬する個別型があります。合祀型だとほかの遺骨と混ざることになり、後にお墓を建てて改葬したくても遺骨を確保することができません。また個別型でも一定期間を経過すると合祀されるものも多く、合祀後はやはり遺骨は確保できません。後に改葬する可能性があるなら、合祀されない樹木葬を選ぶようにしたいものです。

【9】親族から反対されることがある

【9】親族から反対されることがある
お墓の購入を考える方の中では、樹木葬の認知度は高く人気もあります。しかし世間一般で考えると樹木葬についてよく知らない方も多いでしょう。また「お墓は墓石があるもの」「先祖代々受け継ぐもの」といった固定観念も根強いです。樹木葬は新しいタイプのお墓であるため、親族から反対されるケースもあります。それを避けるには、家族や親族間で「樹木葬とはどんなものか」「なぜ樹木葬にしたいのか」など話し合って理解を得ておくようにしましょう。

【10】ペットと一緒に入れない

近頃は、ペットは家族の一員だと考えるようになり、「お墓もペットと一緒に」と望む方も増えています。「樹木葬ならペットと一緒のお墓に入れる」という理由で選択するという方もいます。たしかにペットと一緒に入れる樹木葬はありますが、すべての樹木葬でそれを容認しているわけではありません。霊園や墓地などの考えなどにより、ペットと一緒に入れるか否かは変わってきます。「あちらの樹木葬はできるから、こちらの樹木葬もできるだろう」などと安易に判断せず、検討する段階でペットと一緒に入れるかどうかをしっかり確認しましょう。

樹木葬のトラブルを防ぐための対策

樹木葬のトラブルを防ぐための対策
樹木葬は多様なものがあり、墓地や霊園によってルール等も変わってきます。トラブルや後悔をなくすためには、それを念頭に置くことが大切です。「ほかの樹木葬では~だから」などと思い込まず、しっかり調べることで、後悔やトラブルは防げます。以下では具体的な対策を紹介します。

樹木葬に決める前に見学にいくこと

まずは何より購入契約前に、必ず現地を見学することをおすすめします。アクセスや管理状態なども、実際に足を運んでこそわかることが多いです。現地では樹木葬で使われている木や草花なども確認し、できれば季節を変えて何度か訪れるようにしましょう。特に冬は花がないなど景観が変わることが多いので、複数回訪れて四季折々の景色や雰囲気なども実感しておくのがおすすめです。

墓地までのアクセスを確認する

アクセスについても、ホームページやパンフレットなどに記載されている情報を鵜呑みにしないようにしましょう。所用時間等については正しく書かれていても、待ち時間までは考慮されていない場合もあります。電車やバスの本数が思ったより少ないと、記載されていた以上に時間がかかることもあります。
自動車でのお墓参りが前提の場合は、渋滞についての情報も把握しておきましょう。周囲に観光地などがあると渋滞が起こりがちで、想定以上に時間がかかる場合もあります。また墓地・霊園の駐車場にも注意を払いましょう。駐車場が狭く、お参りが多い時期は、なかなか車が止められないこともあります。さらに駐車場からお墓までの距離が遠かったり車椅子が通れない通路だったりすると、年齢を重ねるとお参りに行きにくくなります。さらに免許返納なども想定し、自動車で行けなくなった場合のアクセス方法なども確認しておきたいものです。

樹木葬の埋葬方法を確認する

樹木葬の埋葬方法には大別すると「合祀型」「集合型」「個別型」の3つがあります。合祀型は他の遺骨と一緒に埋葬されるというものです。集合型は個別に骨壺に入れて埋葬されるものの、埋葬場所は他の遺骨と共同となります。個別型は骨壺に入れて個別の区画で埋葬されるというものです。これらの埋蔵方法によって費用も変わるのが一般的です。
また集合型・個別型でも三十三回忌など一定の期間を過ぎると、合祀される樹木葬も多くあります。納骨後に改葬して遺骨を取り出す可能性があるのか、望む形の埋葬方法と合致するかどうかなどを確認するようにします。

規約をしっかり読む

規約をしっかり読む
前述したように、樹木葬の利用に関するルールは、霊園・寺院によって異なります。大抵のことは規約に書かれているので、面倒がらずにしっかり読むようにしてください。特にお参りのスペースや線香・献花・お供えについて、個別納骨の期間、宗旨宗派の制限などは、事前に知っておくことで無用なトラブルは防げます。

経営状況や管理体制を確認する

樹木葬の墓地・霊園を選ぶ際は、実績豊富で信頼できるところを選びましょう。口コミなども参考に、管理体制について確認します。また管理元の経営母体についても調べておきたいものです。お墓というと未来永劫続くものだと思いがちですが、納骨堂が経営破綻したという例もあります。経営母体の理念や財務状況なども調べておけば、先々の不安も緩和できるでしょう。

家族・親族と話し合う

樹木葬に限らずお墓に関することは、自分の考えだけで強行しようとするとトラブルに発展しがちです。家族や親族と話し合い、樹木葬のメリット・デメリットを示したうえで理解してもらうようにしましょう。反対された状態で押し進めたものの、途中で断念せざるを得なかったという例もあります。家族や親族がお参りにこだわる場合は、プレートなどでどこに埋葬されているかわかる樹木葬や、線香やお供えができる樹木葬にすることで、納得してもらえる場合もあるでしょう。みんなに納得してもらうためにも、よく話し合うことが必要です。

費用だけで決めない!樹木葬メリットとデメリット

費用だけで決めない!樹木葬メリットとデメリット
樹木葬は一般墓と比べて費用が抑えられる、永代供養付きがほとんどで後継者がいなくても安心、生前の宗旨・宗派を問わない場合が多いなどのメリットがあります。反面デメリットもありますが、選ぶ樹木葬によっては克服できることも多いといえます。費用ばかりに気を取られていると、トラブルや後悔の原因となるので、総合的に判断することをおすすめします。
墓じまいの後悔について、詳しくはこちら。
https://shoudaiji.or.jp/baton/post13/

樹木葬を購入する手順

樹木葬を購入する手順
樹木葬を購入する際に、その手順とともに押さえておきたいポイントを紹介します。どのような樹木葬があるのかを調べ、気になるものについては資料請求等を行って取捨選択していきましょう。

樹木葬を購入する前に現地まで見学に行く

ある程度希望する樹木葬が絞られてきたら現地を見学します。資料やホームページではわからないことも多いので、自分の目で墓地全体を確かめます。さらに前述したことを参考に、アクセス等についても確認するようにしましょう。

費用や規定を確認する

「ここがよい」と思える樹木葬が見つかったら、見積もりをもらって費用の内訳をしっかり確認しましょう。もちろん複数よいところが見つかれば、それぞれで見積もりをもらって比較検討してもかまいません。見積もりをもとに、年間管理料やオプションなどにも注意しながら、トータルの費用感をしっかり把握して納得できる価格かどうか判断しましょう。
規約についても口頭の説明だけでなく、契約前に規約書のコピーなどをもらって自宅などでじっくり読むようにしましょう。わからないことがあれば質問して、不明な部分がないようにします。また生前予約の場合は解約や返金についても念のため確認しておきましょう。

契約・入金し、書類をもらう

さまざまなことを確認して納得できたなら、いよいよ契約となります。申し込み手続きをして契約書を交わし、費用を振込などで入金します。
入金完了した後に樹木葬の管理者から「使用許可証」が発行されます。大切な書類なので紛失しないよう保管しましょう。

納骨式の日程を決め、納骨式を行う

すでに故人の遺骨がある状態なら、納骨する日程を樹木葬の管理者やお寺と相談して決めます。納骨式ではたいていの場合、法要を行うことになります。僧侶の手配はもちろんのこと、呼ぶ親族等を決めて連絡し、会食や香典返しなどの手配も行います。納骨する際には、遺骨とともに埋葬許可書を持参し、墓地や霊園の管理者に提出します。

お寺だからこそ選ばれる!證大寺の樹木葬

お寺だからこそ選ばれる!證大寺の樹木葬
写真:森林公園 昭和浄苑の樹木葬
證大寺は江戸川区にある浄土真宗大谷派の寺院です。本坊の墓地のほかに船橋と森林公園に昭和浄苑という霊園を直接運営していて、いずれも樹木葬があります。毎日僧侶が読経してくれるなど、お寺ならではの手厚い供養があるのも、多くの方から選ばれている理由の一つとなっています。

各エリアの樹木葬について詳しくは下記をご覧ください。
證大寺(江戸川エリア)
船橋昭和浄苑(船橋エリア)
森林公園昭和浄苑(東松山エリア)

1年中花が絶えない、庭園タイプの樹木葬

證大寺と2つの昭和浄苑の樹木葬は、いわゆる庭園型の樹木葬です。四季の花が楽しめ「冬でも花がたくさん咲いている」「いつ行ってもきれいに整備されている」など利用者から好評を得ています。證大寺では気持ちよくお参りしてもらえるよう、通常より多くの専門職員を配置。木の剪定や花の手入れはもちろんのこと、設備や施設も掃除が行き届いていて清潔感があります。證大寺・昭和浄苑とも公共交通機関が利用できるほか、送迎バスやお寺タクシーなどのアクセス手段もあり、お参りに行きやすいというメリットもあります。

将来の合祀もなく、維持管理費も不要

證大寺と昭和浄苑の樹木葬には、1人用はもちろん2人や数人で入れる区画などがあり、夫婦や家族で入ることもできます。また他の樹木葬とは違い、一定期間後に合祀されずずっと家族の区画でいることができる樹木葬もあります。管理料も永年無料です。
さらに證大寺の樹木葬ではペットと一緒に入れます。人もペットも命にかわりないという考えのもとペット供養も行ってくれます。
樹木葬を考えている方は、證大寺と2つの昭和浄苑も選択肢として検討してみてはいかがでしょうか。

まとめ

まとめ
近年人気の樹木葬ですが、購入後にトラブルが起こったり後悔したりという話も聞きます。とはいえその原因は、契約前の確認を怠ったことが理由となるケースも多いです。満足できる樹木葬に出会えるよう、トラブル例を参考に細かなことまでよく調べて選ぶようにしてください。

樹木葬でよくあるトラブルに関する監修
仏教人生大学 講師
加藤 順節

PROFILE
真宗大谷派の僧侶として、證大寺 船橋別院所属。證大寺 銀座別院で仏教入門講座など多数講師を務めており、さまざまなテーマで仏教から人生を学ぶ講座を開催している。

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