【葬儀の流れとは】逝去から通夜、お葬式の流れと必要な手続きについて解説
家族などが亡くなって葬儀を行うとなると、限られた時間の中で準備しなければなりません。喪主や家族は訃報の連絡や打ち合わせ、儀式など、やるべきことがたくさんあります。そこで葬儀の流れを時系列で説明し、それぞれの段階で必要な手続き等についても解説します。事前に知識として葬儀の流れを知っておくようにしましょう。
目次
●亡くなってから葬儀までの流れ
●葬儀社との打ち合わせで決めること
●通夜や葬儀前の準備
●通夜から葬儀、火葬までの流れ
●葬儀後の流れと手続き
●證大寺|葬儀のご相談
●まとめ
亡くなってから葬儀までの流れ
人が亡くなってから葬儀が終わるまでの日数は、3~5日程度とされています。火葬場の空き状況などによっては多少前後する場合もあるものの、一般的には逝去当日に葬儀準備をし、翌日に通夜、翌々日に葬儀、火葬を行う形になります。まずは亡くなってから葬儀までの流れや手続きを説明します。
葬儀の流れ(1)逝去
現代では病院で亡くなる方が8割近くを占めています。病院で死亡が確認されると、医師により死亡の宣告が行われます。死亡宣告を受けた家族は、その場に立ち会えなかった家族等に速やかに知らせるようにします。死亡宣告の後は病院で、臨終に立ち会った家族により末期の水(死に水)と呼ばれる儀式を執り行うのが一般的です。末期の水の儀式は、医療スタッフが誘導してくれることが多いので従うようにしましょう。また病院からは死亡診断書が出されるので、それを受け取りましょう。
葬儀の流れ(2)遺体の搬送・安置
故人の遺体は、病院の安置室で数時間しか置いてもらえないことが多いです。また法律により、遺体は死後24時間は火葬できないと定められています。そのため遺体安置場所を確保して、搬送してもらう必要があります。遺体の搬送は葬儀社に依頼するのが一般的です。安置場所となるのは自宅のほか、斎場や火葬場などの霊安室などがあります。近年では自宅よりも通夜や葬儀を行う斎場等に安置するケースが大半を占めています。
葬儀の流れ(3)葬儀社の手配、葬儀の準備
葬儀社に遺体の搬送を依頼する際に、同時に葬儀も依頼することもよくあります。しかし遺体搬送と葬儀は、それぞれ別の会社に依頼してもかまいません。性急に葬儀まで依頼した結果、希望の葬儀にならないと悔いが残ってしまうこともあります。どこに頼むのか検討してから葬儀社を手配し、葬儀の準備に取りかかるようにしましょう。
葬儀の流れ(4)菩提寺への連絡(仏式の場合)
仏式で葬儀を行う場合は、僧侶に来てもらうことになります。菩提寺がある場合はまず連絡し、僧侶の予定を確かめて葬儀の日程を打診します。また生前に戒名を授かっていない場合は、その相談もあわせて行うようにしましょう。
葬儀の流れ(5)親族・関係者への連絡
親族や関係者への訃報の連絡は、通夜・葬儀の日時や場所が確定してから行います。連絡の優先順位は、親族、友人、知人、職場という順番にするのが一般的です。連絡の手段は電話でもメールでもかまいません。また訃報の連絡とともに、通夜や葬儀の案内をあわせて行うようにします。家族葬で参列者を招かない場合は、必ずその旨を知らせるようにします。最近では家族葬の場合は、葬儀に参列してもらわない方に対しては、葬儀後に訃報の連絡を行うことも多いです。
葬儀の流れ(6)死亡届の提出
病院から死亡診断書が出されたら、受け取って7日以内に役所に死亡届を出す必要があります。またそれとあわせて役所に火葬許可申請書を提出し、火葬許可証を発行してもらいます。家族や親族が届を出す場合もありますが、最近では葬儀社に手続きの代行をしてもらうケースも多いです。
死亡届を提出して火葬許可証を発行してもらった後に、通夜や葬儀を執り行うことになります。
葬儀社との打ち合わせで決めること
家族が亡くなると悲しみの中にあり、葬儀社との打ち合わせどころではない心境かもしれません。しかしその後の葬儀を左右するものなので、後悔する葬儀とならないようしっかり打ち合わせに臨むようにしましょう。まずは打ち合わせ前に、誰が喪主となるかを決めておきます。故人の配偶者や長男、長女が喪主を務めることが一般的ですが、特別な決まりはないので家族で話し合って決めてもかまいません。
【1】葬儀の形式を決める|葬儀は大きく分けると4種類ある
葬儀社との打ち合わせでは、まずは葬儀の形式を決めるようにします。葬儀は大きく分けると「一般葬」「家族葬」「一日葬」「直葬」の4種類に分けられます。
■1.一般葬
一般葬とは、家族や親族だけでなく、故人と生前付き合いのあった友人や知人、会社の同僚などにも参列してもらう、いわゆる普通のお葬式のことをいいます。30人以上の参列者が見込まれる場合は一般葬となります。通夜で故人と最期の夜を過ごし、翌日に葬儀を執り行って火葬するという流れになります。多くの人に見守られてお別れができますが、参列者が多いと会場費や飲食費、返礼品代がかかるため葬儀費用が大きくなりがちです。
■2.家族葬
家族葬とはごく親しい身内だけで行う小規模な葬儀のことをいいます。家族以外の参列者がいても30人未満の規模なら、家族葬という呼び方をすることが多いです。流れは一般葬と同様で、通夜の翌日に葬儀を行って火葬するというものです。参列者が少ないため、故人と最期の時間をゆっくり過ごせ、葬儀費用を抑えやすいというメリットがあるため、最近では家族葬を選ぶことが増えてきています。ただし「参列者をどこまで招くか」が問題になりがちなので、参列をお願いしない方に対して配慮を忘れないように気を付けるようにしましょう。
■3.一日葬
一日葬は、通夜をせずに告別式と火葬を1日で行う葬儀です。参列者も5~15人程度と小規模で行われることがほとんどです。1日で済ませられるので、葬儀にまつわる時間的経済的な負担を抑えることができます。ただし葬儀自体は1日で終わっても、前日から遺体を搬送する場合などは2日分の会場費がかかることもあるので確認するようにしましょう。
■4.直葬
直葬は、通夜も葬儀も省いて火葬のみ行うというものです。多くの場合は、火葬炉の前で10分ほど読経やお別れをして、そのまま火葬となります。直送はごく少数の遺族だけで行うケースが多いです。費用は大幅に抑えられるものの、お別れの時間がとても短くなってしまうデメリットがあります。
【2】葬儀の場所や日程を決める
葬儀の日程を決めるには、まず菩提寺の僧侶の都合を尋ねて仮で葬儀の日程を決めておきます。それを葬儀社に伝えてから、場所や日程を確定させます。葬儀の形式、火葬場や斎場の空き状況などによっても葬儀の日程や場所は変わるものなので、葬儀社と打ち合わせて確定させるようにしましょう。
【3】葬儀のプランを決める
葬儀社との打ち合わせで、葬儀の形式や規模等の希望を伝えれば、葬儀社がそれらを加味したプランを提案してくれます。同時に見積も出してくれるのが一般的なので、予算もあわせて検討するようにしましょう。葬儀プランには棺や祭壇、供花などの葬祭用品などに加えて、通夜ぶるまいや精進落としなどの接待料理、香典の返礼品などが含まれていることが多いです。ただし別になっている場合や葬儀プランに含まれない費用が生じる場合もあるので、トータルでの費用も確認する必要があります。
【4】葬儀において施主側で手配するものを確認する
遺影の写真を選んだり、通夜や葬儀での席順を決めたり、知人に受付係をお願いするなど、葬儀社任せにできず施主側が行わなければならないこともあります。とはいえ葬儀社が主導して手配すべき内容を示してくれるので、それに従って手配するようにしましょう。僧侶へのお布施の相場がわからない場合なども、葬儀社に相談するとよいでしょう。また菩提寺がない場合は、僧侶や戒名などについても葬儀社は相談にのってくれます。葬儀社との打ち合わせで疑問やわからないことがあれば、曖昧にせず確認するようにしましょう。
通夜や葬儀前の準備
通夜が始まる前までに、遺族は喪服を準備しておきます。喪主や遺族は、参列者よりも正式な服装になるように、正喪服や準喪服などを着用するのが通例となっています。また喪服のほか黒靴下や黒ストッキングなどの着用品のほか、数珠やハンカチ等の持ち物、僧侶へのお布施などの準備も忘れないようにしましょう。
通夜から葬儀、火葬までの流れ
通夜には「仮通夜」と「本通夜」があります。仮通夜は遺体を棺に納める前に、特別な儀式は行わず遺族だけで故人を見守るというものです。本通夜は弔問客を迎えて行う通夜のことで、仮通夜の翌日の夜に行われることが多いです。以下では本通夜から火葬までの流れについて説明します。
通夜当日の流れ
通夜の前に納棺の儀を行います。遺族が立ち会って遺体を棺に納めるというもので、故人を弔う最初の儀式であり、故人が安心して旅立てるよう支度を整えるというものです。納棺を行うタイミングに決まりはないものの、本通夜開始の3〜4時間前に行うケースが一般的です。
本通夜
本通夜は17~18時頃から行われるのが一般的です。通夜の設営や進行は葬儀社が行い、喪主や遺族は供花の並び順などの確認作業や挨拶が中心となります。
通夜の流れは、受付をすませた参列者が着席する前に喪主や遺族が着席し、僧侶が入場して通夜式が開始となります。僧侶の読経の後に焼香となり、僧侶が法話を行う場合もあります。僧侶が退場した後に、喪主は参列のお礼を述べるなどの挨拶を行って閉会となります。
その後、通夜振る舞いで参列者に飲食してもらうのが一般的です。参列者が帰った後は、遺族が線香の火を絶やさず祭壇を一晩中見守るというのが本来の在り方です。ただし最近では宿泊を伴わないケースも増えてきています。
葬儀当日の流れ
葬儀も通夜同様に、葬儀社が進行などを行ってくれるのが一般的です。葬儀当日、遺族は開始1時間前までに会場に集まるようにします。受付係をお願いしている方がいれば挨拶をし、弔電の確認や火葬場まで行く人数の確認などを行います。僧侶が到着したら挨拶をし、お布施を渡すようにしましょう。
■葬儀の流れ
葬儀が始まる5〜10分前に、喪主や遺族は着席します。その後僧侶が入場し、葬儀が始まります。僧侶が読経し、読経とともに故人に戒名が授ける「引導渡し」が行われます。その後、参列者による弔辞や弔電の披露となります。弔辞・弔電が終わると再び読経がはじまり、遺族、親族、参列者の順番で焼香を行います。焼香が終わると僧侶は退場し、葬儀は終了します。
葬儀の一連の儀式が終わった後、棺を祭壇から降ろし、別れ花を納める最後のお別れを行います。参列者に棺へ花を手向けてもらい、棺の蓋が閉じられます。そして火葬場に向かう出棺となり、出棺の際には喪主が参列者へのお礼の挨拶などを行います。
■火葬場での流れ
出棺して火葬場に向かう際は、火葬許可証、骨壺、骨箱などを持参する必要があります。ただし多くの場合は、葬儀社が代行してくれます。火葬場に到着すると棺は炉の前に安置され、位牌と遺影を飾って納めの式が行われます。僧侶が読経して焼香が終わると、棺の小窓を開けて最後の対面をします。
火葬にかかる時間は約1~2時間で、その間に喪主や遺族は参列者を茶菓子などでもてなすのが一般的です。火葬が終わったら参列者で骨上げをして、遺骨を骨壺に収めます。火葬場から自宅に戻ったら、葬儀社に後飾りを用意してもらって遺骨を安置します。
葬儀後の流れと手続き
葬儀が終わってひと段落となるものの、喪主や遺族はその後もやるべきことがたくさんあります。葬儀後に行う忌中法要のほか、香典返しや各種手続きについても説明します。
葬儀後|法要
仏教では葬儀後の初七日から四十九日までの間を忌中と呼び、故人を供養する法要が行われます。正式には7日ごとに「初七日」「二七日(ふたなのか)」「三七日(みなのか)」「四七日(よなのか)」「五七日(いつなのか)」「六七日(むなのか)」そして「四十九日」となります。この中で特に大切とされているのが「初七日」と「四十九日」の法要です。
■初七日法要
初七日法要は、故人が逝去した日から数えて七日目に行う法要のことです。正式な日程で行うのが本来ですが、最近では日を改めて再び集まることが難しいなどの理由で、葬儀の後や火葬後などに初七日法要が行われることも多いです。
■四十九日法要
四十九日法要は、忌中法要の最後に執り行われるものです。そのため忌明け法要とも呼ばれています。日程の都合などで四十九日ちょうどに行えない場合は、実際の四十九日より前に法要を行うのがよいとされています。法要では、葬儀で使われていた白木位牌から漆塗りの本位牌へ魂を移し、仏壇を新たに購入した場合は開眼供養も行います。またお墓に骨を納める納骨式も、四十九日法要とあわせて行われることが多いです。
葬儀後|香典返し
香典返しは仏事が一通り済んだという報告と、香典へのお礼として品物を送るというものです。四十九日法要後、遅くなりすぎない時期に送るようにしましょう。相場はいただいた香典の1/2~1/3程度が目安となっています。香典とは別にお供え物をいただいた場合は、その金額も合算して1/2~1/3程度となるようにしましょう。
また最近では、当日返しや初七日明け、1ヶ月後など早めに手配することも多くなっています。香典の金額に関わらず同じ品物を手配した場合、高額の香典をいただいた方に四十九日後に再度香典返しを送るケースもあります。
葬儀後|各種手続き
葬儀が終わったら、故人に関わる各種手続きに取りかかるようにしましょう。健康保険や年金の手続きなどは死亡後10日以内、14日以内など期限が設けられています。また遺族年金や葬祭費の申請、生命保険の請求などには時効があるので、期限内に手続きするようにしましょう。また相続についても早めに手をつけるのがおすすめです。銀行の口座は、口座名義人が死亡したことを伝えると口座が凍結されます。凍結解除には相続届など所定の手続きが必要となるので注意しましょう。そのほか期限が定められていないものとして、免許やパスポートの返還、公共料金の名義変更、クレジットカードの解約などがありますが、いずれも速やかにすませるようにしたいものです。
證大寺|葬儀のご相談
写真:江戸川区にある證大寺の僧侶と檀家
最近では通夜や葬儀は斎場などで行われることが多いですが、お寺でも執り行えるところがあります。東京都江戸川区にある證大寺もそのひとつ。真宗大谷派の寺院で、本堂の荘厳な雰囲気のなかで葬儀を行うことができます。一般的にはお寺での葬儀は「檀家であること」が条件となっていますが、證大寺にお墓がある方であれば、檀家でなくても受け付けてくれます。
また證大寺ならではの特徴として「喪主付添人」があります。お寺の職員が喪主付添人となって喪主や遺族をサポートするというもので、実際に證大寺で葬儀を行った方から好評を得ています。葬儀をどうするかゆっくり考える時間もないため、ついつい葬儀社に言われるがままになりがちですが、葬儀社に言いにくいことも喪主付添人が間に入ってくれ、喪主や遺族に寄り添ってくれます。
證大寺では本通夜や葬儀だけでなく仮通夜も行えて、安置の間は故人の亡骸を布団に寝かせて、枕勤めを行うなど手厚い供養も行ってくれます。また通夜や葬儀も慌ただしくならず、故人と遺族が向き合う時間を大切にしてくれるなど、心のこもったお別れとなる配慮があります。
證大寺では葬儀はもちろん、亡骸の搬送・安置などに関する相談も受け付けています。お急ぎの方向けに24時間対応の電話受付があり、東京、神奈川、千葉、埼玉なら最短30分で駆けつけてくれます。葬儀で困ったことがあれば、證大寺に相談してみてはいかがでしょうか。
詳しくは下記のリンク先をご参照ください。
僧侶が提案する本当のお葬式
まとめ
通夜や葬儀は突然の訃報を受け、限られた時間の中で準備する場合が多いです。気が動転して心に余裕がない中で、やるべきことは山のようにあります。慌ただしくしているうちに終わってしまうと、後になって悔やむことも出てくるかもしれません。少しでも心にゆとりが持てるように、通夜や葬儀について知識を得ておくようにしてください。