皆さんこんにちは。「お寺の掲示板」の時間です。この時間は、毎月一つの言葉を、仏教で捉えるとどうなるのか、ということをお話しさせていただくお時間です。
今月の言葉は「邪魔」でございます。
皆さんは「邪魔」という言葉を、どんな時に使いますか。
よく「邪魔くさい」や「邪魔だからどいてよ」というようなことを言ったりしませんか。
「邪魔」は、サンスクリット語で「マーラ」といい、正しい道を歩もうとする者を邪魔する悪魔のことです。
何か良くないことが起きた時、「悪いのはあいつだよ」と、耳元でささやき、自分以外の誰かに責任転嫁をさせます。その言葉に従ってしまうと悪魔はいよいよ私の中で活躍の場を得て、「あいつさえ居なければもっと楽になるよ」と、ささやき、攻撃をさせるのです。
「魔が差す」といいますがこれは、私たちの心が悪魔に誘惑され、簡単に奪われてしまうことを言うのです。
この悪魔が最も恐れていることがあります。それは、仏教に正体を見破られることです。仏教では、問題の責任を他人ではなく、自分の内に尋ねていきます。仏さまの言葉を聞くと、思い通りにならないことが問題なのではなく、思い通りにしようとする私に問題があるのだと、気付かされます。
実は、この悪魔とは、思い通りにしようとする自分自身が生み出すものなのです。
日ごろ何かに責任転嫁しながらも、気持ちが晴れないことがありませんか?それは、「あなたが本当に望む生き方に気付いてほしい」という仏さまの願いの声が聞こえているからなのです。
悪魔が消えることはありませんが、仏さまのお言葉を聞くと、悪魔に邪魔をされても「ご苦労さん、お世話になっております」と安心して言えるのではないでしょうか。
春江町の證大寺では、毎朝八時半から九時まで「お経と法話の会」が勤まっております。参加費・予約不要で、どなたでも自由にご参加いただけますので、是非お参りください。お問い合わせは3653‐4499まで。
この番組は證大寺の提供でお送りしました。またお会いしましょう。