愛するペットの遺骨はどうすればいい?後悔しないための供養方法
現代の日本はペット大国と呼ばれるほどで、毎年のペット飼育数の推移は右肩上がりに増えています。ペットは家族やわが子同然と考え、愛するペットが亡くなった際は人と同様に供養したいと考える方も多いでしょう。そこでペットの遺骨の供養について、後悔しないための方法を紹介します。
目次
●ペットの遺骨、どうすればいいの?納骨という選択肢
●ペットの遺骨|納骨の方法と費用相場
●納骨前に知っておきたいこと|火葬について
●納骨後に知っておきたいこと|ペットの供養について
●遺骨納骨に関するQ&A
●ペットと一緒に入れる「證大寺の」お墓
●まとめ
ペットの遺骨、どうすればいいの?納骨という選択肢
家族同然、わが子同然の愛おしいペットが亡くなったとなると、どうするべきか悩む方も多いようです。昔は山や庭などに土葬することも多かったようですが、現在ではそれはおすすめできません。土葬してペットの遺体が土に還るには長い年月が必要で、ニオイや害虫が発生するなど問題点が多くあります。また所有地以外の場所に埋めると、不法投棄となり罰則に処せられます。現代ではペットが亡くなると火葬するのが一般的となっています。また人間同様に、ペットの遺骨を納骨するという方も増えています。
突然のお別れで何も手がつかなくなる前に
愛するペットがなくなってしまうと、悲しみに暮れてなにも手に付かなくなってしまうでしょう。しかし悲しんでいるばかりでは、ペットも心おきなく旅立つことができないのではないでしょうか。まずはペットが元気なうちから、知識を得ておくようにしましょう。ペットの供養の仕方はさまざまな方法があり、また遺骨を納骨できるお墓の種類も豊富にあります。
ペットを納骨する意味と利点
ペットが亡くなっても、遺骨を納骨しないという選択肢もあります。しかし納骨する方が増えているのは、納骨にメリットがあるからといえるでしょう。納骨することにより、ペットをしっかりと供養できます。納骨先によって異なるものの、個別の区画で供養した場合は、供物や花、写真などをお供えすることもできます。またペットのために定期的にお経を読み、法要を行ってくれる霊園等もあります。また飼い主にとっても、納骨する意味があります。愛するペットが亡くなると、ペットロスになってしまう飼い主も多くいます。そんな気持ちの整理をつけるためにも、納骨はよい方法だといえるでしょう。
ペットの遺骨|納骨の方法と費用相場
ペットの遺骨を供養する方法はさまざまで、納骨先となるお墓の種類も豊富です。どこでどのように供養するかによって、必要となる費用の相場も変わってきます。
【自宅でペットを供養】いつもそばに、手元供養という選択肢
手元供養とは、家などに遺骨を置いて手元で供養するというものです。自宅に祭壇のようなものを作ってペットを供養するという方も多いようです。ただし手元供養する場合は、供養する人がいなくなった先々のことを考えておく必要があります。子どもや親族が代わって供養を続けてくれるなら安心ですが、ゴミとして廃棄される可能性もないとはいえません。
ペットの遺骨と離れがたい場合は、遺骨のほとんどをお墓に納骨し、一部だけを手元供養するという方法もあります。また庭などがあれば、遺骨を埋めてお墓を作るということもできます。ただし庭にお墓を作る場合も土葬せず、火葬して遺骨にしてからにしましょう。
手元供養は費用が0円~と、コストが抑えられるというメリットもあります。供養のための仏具を揃えた場合でも1~2万円程度、ペット用の小さい墓石は3万円前後で購入できます。祭壇やお墓を作る実費は必要ですが、凝ったものを作らない限り多額の費用となることはありません。
【ペット霊園で供養】専用の施設で安心のお見送り
ペット霊園とは、その名の通りペット専用の墓地のことで、さまざまなタイプのお墓があります。個別で埋葬できる一般墓のほか、ほかのペットと一緒に遺骨を埋葬する合同供養塔や合祀墓と呼ばれるタイプのものもあります。費用相場は一般墓で10~40万程度、合同供養塔や合祀墓だと1~3万円程度が目安となります。またこのほかペット霊園の年間管理費が必要になるケースもあります。
【寺院で供養】いつものお寺に納骨できることも
お寺によってはペット合同供養墓などを設けていて、ペットを納骨できる場合もあります。永代供養となっている場合が多く、飼い主に代わってお寺が供養や管理も行ってくれます。ただし他のペットと一緒に埋葬する合祀の場合がほとんどで、費用相場は1~3万円程度とされています。
このほかまだ数は少ないものの「人とペットが一緒に入れるお墓」がある墓地や霊園もあり、徐々に増えてきています。お墓の種類も一般墓のほか樹木葬、納骨堂などさまざまなものがあります。ただし「人間のお墓」でもあるため、ペット霊園に比べて総じて費用は膨らみます。費用相場は一般墓で70~130万円、納骨堂で60~100万円、樹木葬で30~100万程度が目安となります。
【その他の納骨方法】散骨、樹木葬など
その他の納骨先として、ペット専用の樹木葬というものもあります。ペット専用の樹木葬の費用相場は、個別に埋葬するタイプだと3万円程度、合同の場合は1万円程度が目安となります。また納骨堂形式のものもあり、費用相場は1~5万円程度で、年間管理費が必要になるケースもあります。
また最近では、ペットの海洋散骨も行われるようになってきました。費用相場は地域やペットの種類や大きさによって異なりますが、散骨業者に委託して散骨する場合は2~5万円程度が相場となっています。
納骨前に知っておきたいこと|火葬について
納骨をする前に民間のペット霊園や火葬業者に依頼して、ペットの亡骸を火葬することになります。
火葬の形式は大別すると「合同火葬」と「個別火葬」の2種類があります。合同火葬は、複数のペットの遺体をまとめて火葬する方法です。返骨されず、そのまま共同墓地などに埋葬されることが多いです。個別火葬は1体ずつ火葬する方法で、お別れからお骨拾いまで立ち会うことができ、返骨もしてもらえます。
火葬の流れ
ペットが自宅等で亡くなったら、箱などにタオルやペットシーツを敷き、その上に遺体を安置します。その周りにドライアイスや保冷剤などを置いて、腐敗を防ぐようにします。その後、業者に火葬を依頼するようにしましょう。
ペットの個別火葬の方法は「立合個別火葬」「一任個別火葬」「訪問火葬」などがあり、訪問火葬以外はペット霊園に併設されている火葬場などで行われることが多いです。
火葬の費用目安
ペット霊園に納骨する場合は、納骨費用に火葬費用が含まれる場合も多いですが、供養の方法や納骨先によっては火葬だけを依頼するということもあります。他のペットと一緒に火葬する合同火葬は、費用相場は1万円~と、コストが抑えられます。合同供養塔や合祀墓に納骨するなら問題ありませんが、返骨されない場合がほとんどなので、個別に納骨したい場合には不向きです。
立合個別火葬と一任個別火葬は、火葬に飼い主が立ち会えるか否かの違いがあるものの、どちらも返骨に応じてもらえます。訪問火葬は火葬できる装置を備えた車が、自宅などに来てくれるというものです。火葬場まで行く必要がなく、立ち会いをするか否かも選べ、お骨拾いなどもできる場合がほとんどです。個別火葬の費用相場はいずれも2万円程度が目安とされているものの、ペットの体重などによって費用が変わってきます。例えば40㎏以上の大型犬などは、6~7万円程度かかることもあり、訪問火葬では受け付けていないことが多いようです。
納骨後に知っておきたいこと|ペットの供養について
ペットの遺骨をお墓等に納骨すれば、まずはひと安心できます。とはいえそれで終わりにせず、お墓参りにいくなどして、飼い主として供養してあげるようにしましょう。
定期的なお墓参り
お墓参りの頻度には、特に決まりはありません。ペット霊園等に納骨した場合は、管理面でいうと霊園にお任せすることができます。とはいえペットが家族同然だったのであれば、できる範囲でお墓参りに行ってあげるようにしましょう。命日やペットが家にやってきた日に行くなど、定期的にお参りしてペットを偲ぶ時間を持つことで、飼い主自身の心も整理できるでしょう。ペットのことを忘れずにいて、お参りで愛や感謝を伝えることが、ペットへの供養にもなります。
ペットの法要について
ペッのト法要には、主に合同法要と個別法要の2種類があります。合同法要はペット霊園やお寺などが執り行う法要で、実施される日に参列するというものです。お彼岸やお盆などの時期に開催されることが一般的です。個別法要は、飼い主が人間の法要と同様に、僧侶の手配などを行って催す法要のことです。ペットの命日にあわせて回忌法要を行っている方もいます。個別法要までできなくても、合同法要などには参加して、愛するペットの冥福を祈るようにしてはいかがでしょうか。
遺骨納骨に関するQ&A
ペットの納骨を考える際に、よくある質問をまとめましたので、参考にしてください。
Q.どんな種類のペットでも納骨できますか?
A.ペット霊園等にもよりますが、多くの場合は犬やネコのほか、ハムスターやモルモット、フェレット、インコなど小動物の遺骨も納骨できます。ペット霊園等によってルールは異なるので、詳細は納骨先に問い合わせるようにしましょう。
Q.遺骨を自宅に保管することはできますか?
A.ペットの遺骨を自宅で保管することは、法的にはなんら問題はありません。とはいえただ保管するだけでなく、手元供養するのが望ましいといえるでしょう。また自宅に遺骨を置く場合は、骨壷の蓋はしっかり閉め、高温多湿の場所を避けるようにします。そのほか地震などで落下しないように、不安定な場所を避けるなど置き場所に注意するようにしましょう。
Q.納骨後、遺骨を取り出すことはできますか?
A.合祀するお墓に他のペットと一緒に埋葬された場合は、遺骨を取り出すことはできません。「引っ越すから取り出して、住まいの側のお墓に」と思っても希望は通らないといえるでしょう。
ただし個別で埋葬した場合は、遺骨を取り出せる場合がほとんどです。ペット霊園へ納骨した後に「人と一緒に入れるお墓」を購入して、そちらに改葬したという例もあります。
ペットと一緒に入れる「證大寺のお墓」
写真:ペットと一緒に入ることができる證大寺のお墓「安&堵」
證大寺は江戸川区にある真宗大谷派の寺院で、人とペットが一緒に入れるお墓があることで知られています。證大寺の墓地のほか、證大寺が直接運営する「船橋昭和浄苑」「森林公園昭和浄苑」にも、樹木葬や納骨堂などペットと一緒に入ることができるお墓があります。證大寺では「人も動物も、それぞれが等しい命」という考えから、比較的早くからペットと一緒に入れるお墓を実現してきました。毎日僧侶が読経をしてくれ、人もペットも手厚く供養してくれます。
詳しくは下記のリンク先をご参照ください。
證大寺:https://edogawa2.eitaikuyou.life/
森林公園 昭和浄苑:https://higashimatsuyama2.eitaikuyou.life/
船橋 昭和浄苑:https://funabashi2.eitaikuyou.life/
ペットロスに対応するグリーフケアも
證大寺ではペットと一緒に入れるお墓だけでなく、ペットを亡くした悲しみに寄り添うグリーフケアの活動にも力を入れています。僧侶や職員の中にはペットロス専門士の資格を有する人もいます。また證大寺と2つの昭和浄苑を拠点として、「動物医療グリーフケア安&堵の会」も開催されています。この会はだれでも参加できるというもので、ペットを亡くした悲しみに寄り添ってくれます。
證大寺の活動に興味がある方は、以下のリンク先をご参照ください。
https://www.and-pet.com/lp/
まとめ:大切なペットとの思い出を胸に
愛するペットは家族の一員であり、わが子のように可愛がっている方も多いでしょう。もしペットが亡くなったらと考えるだけでも悲しくなるものですが、お別れとなったらしかるべき場所に納骨して供養してあげたいものです。最近ではペット霊園だけでなく、「人と一緒に入れるお墓でともに眠りたい」という希望も増えています。供養についての考え方は人それぞれでしょうが、愛するペットとの思い出を胸に、後悔のない形で供養してあげてください。