墓じまい補助金で費用負担軽減!申請条件、注意点、事例を紹介

お墓

墓じまいにかかる費用は相場に幅があり、35万円~150万円程度とされています。まとまった金額が必要になるため、躊躇してしまう方も多いでしょう。しかし最近では、自治体が墓じまい補助金を出すケースが増えてきています。この記事では、墓じまい補助金や申請方法について、補助金以外で費用を抑える方法などを説明します。

目次
●「墓じまい」するときにもらえる補助金とは?
●【墓じまいの補助金】申請方法と流れ
●補助金制度の事例
●墓じまい補助金の注意点
●墓じまい補助金以外で費用を抑える方法
●墓じまいのご相談|證大寺
●まとめ

「墓じまい」するときにもらえる補助金とは?

「墓じまい」するときにもらえる補助金とは?
「お墓の承継者がいない」「遠方にありお墓参りや管理ができない」「維持するのが負担」などの理由で、墓じまいを考える人が増えています。自治体によっては墓じまいすると補助金が支給される場合があります。

墓じまいの費用負担を軽減する制度

なぜ自治体は、墓じまいに対して補助金を支給する制度を設けているのでしょうか。その背景には、墓じまいをしないまま無縁仏となったお墓の増加があります。お墓が放置され管理費が支払われなくても、簡単に撤去するわけにはいきません。お墓を管理するお寺や自治体にとっては、頭の痛い問題となっています。そこで墓じまいの補助金や助成金を支給して費用を軽減することで、無縁墓を防いで墓地が荒れないよう、自治体が制度を設けるようになってきたのです。

自治体によって金額や条件が異なる

とはいえ墓じまいの補助金制度は全国でも少なく、実施している自治体でもさまざまな条件があり、それをクリアしないと利用できない場合もあります。また補助金の金額についても自治体によってまちまちとなっています。

墓じまい補助金の対象となるのは?

墓じまいの補助金制度がある場合、対象となるのは墓石の撤去工事費用が主となっています。

【墓じまいの補助金】申請方法と流れ

【墓じまいの補助金】申請方法と流れ
墓じまい補助金の申請する手順は、自治体によって違いがあります。ここでは一般的な申請の流れを紹介します。

自治体の補助金制度の情報を収集

まずは、お墓のある自治体が補助金制度を設けているか情報を収集しましょう。また補助金以外の支援もあるかどうかも調べるようにします。

補助金申請書などの書類を揃えて提出

自治体が補助金制度を設けている場合は、対象となる条件に合致しているかを調べます。条件に当てはまる場合は、申請書などの書類を揃えて役所に提出します。ただし自治体によっては、年度内の予算に達したなどの事情で補助金交付が認められないケースもあります。詳しくは役所の窓口に問い合わせるようにしましょう。

補助金制度の事例

補助金制度の事例
墓じまいの補助金制度について、わかりやすい具体例として、群馬県太田市と千葉県浦安市の事例を紹介します。

群馬県太田市の事例

群馬県太田市での墓じまい補助金制度の事例を紹介します。太田市には公営の八王子山公園墓地があり、この墓地の使用者が墓じまいして返還する際に、墓石撤去工事に伴う費用の補助が行われます。補助金額は支払った額が20万円以下の場合は総額、超える場合は20万円を限度に支給されます。ただし墓石撤去の工事費用のみが対象となり、それに伴う祭祀や法要(閉眼供養等)の費用は補助の対象にはなりません。

千葉県浦安市の事例

次に千葉県浦安市の例を紹介します。千葉県浦安市では、市内にある墓地公園の使用者が対象となっており、「墓所返還者等支援事業」が2種類行われています。1つは「墓石撤去費等助成制度」で、墓石の撤去などの費用を上限15万円で補助金を交付するというものです。もう1つは「合祀室改葬等許可制度」で、改葬先の使用料を負担することなく、合葬式墓地に遺骨を改葬先することができるというものです。またこの2つの制度を両方利用することもできるようになっています。

墓じまい補助金の注意点

墓じまい補助金の注意点
墓じまいの補助金制度は全ての自治体にあるわけではないので、まずは墓所の自治体に制度があるかを調べることになります。その際に注意しておきたいポイントについて以下で説明します。

申請期限や必要書類を事前に確認

申請する際に提出する書類は、自治体によってまちまちです。墓地の原状回復工事の費用についても、見積書を添付するだけでOKな自治体もあれば、領収書や墓地の原状回復工事前後の写真が必要となる自治体もあります。申請先の自治体がなにを必要書類としているのか、事前によく確認しておきましょう。また年度毎など申請期限が設けられている自治体もあります。墓じまいを行う時期にも関わることなので、自治体のホームページや役所の窓口などで確認しておきましょう。

補助金の金額は、上限が設定されている場合が多い

墓じまいの補助金として、墓石撤去工事の全額を補助してくれる自治体もありますが、上限を設けている自治体がほとんどです。上限金額は20万円前後としている場合が多いようです。従って上限額以上の費用がかかる場合は、墓じまいを行う人が負担することになります。

補助金受け取りは、墓じまい工事終了後が多い

墓じまいの補助金は、墓石の撤去工事前に給付される自治体もまれにありますが、工事費用を支払った後に受け取ることになるのが一般的です。自治体によっては補助金申請に解体工事の領収書が必要となる場合もあるので、まず墓じまい費用の全額をいったん負担することになります。そのため補助金が利用できるとしても、事前に資金計画を立てておく必要があります。

墓じまい補助金以外で費用を抑える方法

墓じまい補助金以外で費用を抑える方法
墓じまいの補助金が利用できたとしても、それで全てを賄えるわけではありません。改葬先の費用や法要のお布施など、補助金で賄えない費用も発生します。そこで補助金の利用以外で費用を抑える方法についてご紹介します。

永代供養墓への改葬

墓じまいでは取り出した遺骨の改葬先への費用も、それなりの金額が必要となります。経済的負担を抑えたいなら、住まいの側などに新しいお墓を建てるよりも、永代供養墓に改葬することも選択肢に入れてはいかがでしょうか。永代供養墓には、永代供養付きの樹木葬や納骨堂など選択肢が豊富で、コストが低減できるものもあります。また永代供養だと遺族に代わって墓地や霊園でずっと供養してもらえ、承継問題の心配もありません。

合祀墓への改葬

改葬先の費用をさらに抑えたい場合は、合祀墓(合祀型の永代供養墓)という選択もあります。合祀とは他の遺骨と一緒に供養されるというものです。他人と遺骨が混ざることになるので、心情的に抵抗を感じる方もいるでしょう。しかし、そうでないなら費用を抑えるには有効といえるでしょう。

散骨

費用を抑えられる改葬先としては、散骨という方法もあります。墓じまいで取り出した遺骨を散骨することは、法的にはなんの問題もありません。お墓そのものがなくなるので承継問題も発生せず、管理費など供養の費用も抑えられるでしょう。ただし散骨するには遺骨を砕くなどの準備が必要となるので、一般的には専門の業者に依頼することになります。また散骨費用は、散骨業者や散骨する場所や方法によって変わってくるので注意が必要です。

その他、自治体独自の支援制度の活用

墓石撤去工事費の補助金以外でも、墓じまいの支援制度を設けている自治体があります。たとえばある自治体では、墓じまいで更地にして返還すると、それまで払っていた墓地使用料の一部を返還する制度を設けているところがあります。このほか東京都の都立霊園にお墓がある場合では、元のお墓を返還して合葬墓に改葬する「施設変更制度」なども利用できます。補助金以外にも使える制度がないか、よく調べるようにしましょう。

墓じまいのご相談|證大寺

墓じまいのご相談|證大寺
写真:證大寺昭和浄苑
東京都江戸川区にある證大寺は浄土真宗大谷派のお寺で、墓じまいの相談や支援も行っています。昨今では、郷里にお墓があるものの遠くてお参りに行けない、管理ができない、後継者がいないなど、お墓に関する悩みを抱えている人がたくさんいます。そんな方に親身になって相談に応じてくれます。

改葬先は1つでなくてもいい

證大寺で相談した結果、ご両親など縁の深い遺骨は昭和浄苑の樹木葬に、遠い祖先は合祀墓に納めたり、海洋散骨で自然に還るという選択をした方もいるといいます。私たちはつい「墓じまいで取り出した遺骨は、全て同じ方法で供養するもの」と思い込みがちですが、そうでなくてもかまわないということです。證大寺にはさまざまな種類のお墓があるので、改葬先の選択肢も豊富です。また散骨という方法を考えた場合でも、信頼できる海洋散骨の業者と提携しており、全国の海で海洋散骨を依頼することもできます。墓じまいで悩んでいる方は、證大寺に相談してみてはいかがでしょうか。
詳しくは下記のリンク先をご参照ください。
證大寺:https://edogawa2.eitaikuyou.life/
森林公園 昭和浄苑:https://higashimatsuyama2.eitaikuyou.life/
船橋 昭和浄苑:https://funabashi2.eitaikuyou.life/

まとめ|墓じまい補助金を賢く利用し、大切な想いを未来へ

まとめ|墓じまい補助金を賢く利用し、大切な想いを未来へ
お墓を無縁仏にしないためにも、墓じまいは大切です。先祖や故人の供養を整えることで、子や孫世代へ想いをつなぐことになります。しかし費用の負担を考えると、墓じまいに躊躇してしまう方もいるでしょう。自治体の墓じまい補助金制度は、費用を抑えるのに有効な手段です。また改葬先の検討や自治体の支援策など、費用を削減する方法は補助金以外にもあります。墓じまいを考えているなら、制度や支援を賢く利用して前向きに検討してみてはいかがでしょうか。

墓じまい補助金に関する監修
仏教人生大学 講師
目﨑 明弘

PROFILE
證大寺 森林公園別院に所属。18歳から28歳まで京都の大谷大学で仏教を学ぶ。その後、浄土真宗大谷派の本山である東本願寺の同朋会館で五年間勤務。現在は、銀座別院等で講師を担う。

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