お墓の値段はいくら?費用の相場について解説

お墓

お墓の購入は一生に一度の大きな買い物といわれています。購入を考えた時、まずが気になるのは費用ではないでしょうか。そこでお墓の値段について、何にどれくらいの費用がかかるかを説明。また建てた後の費用についても解説します。さらに一般墓以外のお墓の選択肢についても紹介します。

目次
●お墓にかかる主な費用
●お墓を購入した後に必要になる費用
●墓石などを設けずに供養するお墓の金額相場
●費用相場を理解し、慎重なお墓選びを
●證大寺のお墓
●まとめ

お墓にかかる主な費用

お墓にかかる主な費用
2024年の調査によると、一般墓の購入費用は全国平均で149.5万円となっています。しかしその内訳についてはご存知ない場合も多いでしょう。そこでお墓にかかる主な費用について紹介します。
※【第15回】お墓の消費者全国実態調査(2024年)
https://guide.e-ohaka.com/research/survey_2024/

墓地代(永代使用料)

まず必要なのは、お墓を建てる土地の使用料となる墓地代です。自分の持っている私有地にお墓を建てたいと思っても、そこにお墓を作ることはできません。法律で、お墓は墓地として認可を受けた場所でないと建てられないと決められているからです。墓地や霊園などからお墓を建てる場所を選ぶことになります。また「墓地を買う」とよくいわれますが、これはお墓の区画の土地自体を購入するのではなく、その区画を永代にわたって使用することができる権利を買うというものです。そのため正確には「永代使用料」と呼ばれています。永代使用料は契約後一括で支払う場合が多く、契約後には「墓地の使用許可証」が発行されます。
費用は全国平均で68万円程度となっていますが、地域により相場は異なります。また立地条件、広さ、墓地や霊園の設備などによっても同じ地域でも価格は変動します。

墓石費用

墓石費用とは、墓石本体に加えて、外柵・カロートと呼ばれる納骨棺、施工する工事費などをあわせた費用のことを示します。相場は100〜200万円程度とされていますが、使用する石材の種類や量、墓石の加工費、工事費によって幅があります。例えば高い石材をふんだんに使った場合や、凝ったデザインのお墓にすると費用は上昇します。また工事費も、据付型など施工負担が軽いものは費用が抑えられる反面、施工しにくい立地条件である場合などは負担が増してしまいます。

墓石に刻む文字の彫刻費用

墓石に刻む文字にも費用がかかります。新しくお墓を建立した場合は、家名や題目、建立日などは墓石費用に含まれていることが一般的です。ただし戒名の彫刻は別途費用がかかる場合がほとんどで、1名につき5万円程度が費用相場となります。

管理費などその他の費用

墓地・霊園には永代使用料だけでなく、墓地管理費を支払う必要があります。これは墓地・霊園にある共同で使用する休憩所・トイレ・水汲み場などの水道代や電気代などのほか、管理維持などに当てられる費用となります。支払方法は墓地や霊園によって異なり、年に1度管理費を納める場合のほか、数年分・数十年分ほか、をまとめて納めるケースもあります。
費用相場は年間1万円前後ですが、霊園や墓地の経営母体が公営であるか、民営であるか、寺院墓地であるかによって相場は異なってきます。また地域によっても差があります。

お墓を購入した後に必要になる費用

お墓を購入後に必要な費用
お墓を建てるとなると購入費用にばかり目が行きがちですが、お墓が完成してもそれで終わりではありません。購入後にかかる費用についてもよく知り、予算に組み込んでおく必要があります。

開眼法要にかかる費用

仏式のお墓の場合、宗派によっては完成した後に「開眼供養」を行う必要があります。開眼供養で僧侶に読経をしてもらうことによって、はじめてお墓は供養や礼拝の対象となるとされています。浄土真宗の場合は「おわたまし」といい、僧侶を招いて読経、法話を通してご本尊をお迎えする意味を大切にしています。お墓まで僧侶に来てもらって開眼供養の法要を行うと、お寺や僧侶へのお布施が必要となります。
開眼供養だけの場合、お布施の目安は3~5万円程度が一般的です。お墓を建ててすぐに納骨する場合は、開眼供養と納骨式を同時に行うことも多くなります。その場合は1.5~3倍程度の金額を目安にお布施を用意するようにしましょう。

納骨式にかかる費用

お墓を建てた後、納骨する場合は納骨式を行います。納骨式では僧侶にお墓まで来てもらうことになるので、お布施のほかにお車代なども準備しておくようにしましょう。また骨壺をお墓に納める納骨作業は、石材店などに依頼することが多いため、5,000円程度の作業料が必要となります。
お墓を建てた時に故人の戒名などをお墓に刻んでいない場合は、彫刻料が必要で費用相場は5万円程度となっています。またお供え物の購入費用のほか、宗派によっては卒塔婆費用などもかかることがあります。さらに納骨式では親族などが集まることが多く、その後に会食を行うこともよくあるので、その費用も考慮するようにしましょう。

入檀料・お寺への寄付

購入したお墓が寺院墓地だった場合、そのお寺の檀家となることが条件となっていることがあります。檀家になるには入檀料が必要な場合もあり、その費用相場は10〜30万円が目安といわれています。また檀家になると、志納金と呼ばれる会費のようなものが必要になったり、お寺の増改築の機会などで寄付をお願いされたりする場合もあります。これらはお寺によって方針や金額が異なるので、事前に確認するようにしましょう。

墓石などを設けずに供養するお墓の金額相場

墓石がない供養にかかる費用・金額相場
墓石のある一般墓は費用がかさみがちなため、最近では墓石がないお墓が人気となっています。またお墓以外で供養する方法を選ぶ方も徐々に増えつつあります。

樹木葬の金額相場

墓石がないお墓として、近年人気が高まっているのが樹木葬です。樹木葬とは、木や草花を墓標とするお墓のことです。一般墓のように代々継承するのではなく、基本的に一代のみのお墓となります。樹木葬は永代供養が付いているものがほとんどのため、後継者がいなくてもお寺や霊園が供養を続けてくれ、これも人気の理由となっています。
樹木葬には、自然の山林を活かした里山タイプ、都市部に多い整備された庭園タイプなどの種類があります。また納骨方法もさまざまで、1人や家族で入れる個別型、他の方と同じ場所に納骨されるものの骨壺は別となる集合型、遺骨を骨壺から取り出して他の方と一緒に埋葬する合祀型などがあります。
費用相場は立地条件、タイプ、納骨方法などによって異なりますが、樹木葬の全国平均購入価格は70万円程度。個別型で1人用が15~60万円、家族用が20~80万円程度、合祀型だと5~20万円が相場となっており、一般墓と比べるとかなり費用が軽減できます。しかし庭園タイプの樹木葬の場合には植栽維持費として年間管理料が石のお墓より割高になっている場合があるので注意が必要です。

納骨堂の金額相場

納骨堂も墓石がないお墓のひとつで、建物の中などに遺骨を納める施設のことをいいます。樹木葬と同様に、多くが継承を前提としないお墓で、ほとんどの納骨堂には永代供養が付いています。アクセスしやすい場所にあることが多いため、お墓参りに行きやすいと好評を得ています。
納骨堂にも種類がいろいろあり、並んだ棚に遺骨を納めるロッカー型、納骨壇が仏壇のようになっている仏壇型のほか、位牌や骨壺がお参り場所に出てくる自動搬送型などがあります。
納骨堂の全国平均購入価格は78万円程度となっていますが、種類だけでなく、「1人用」「夫婦2人用」「家族用」など納める遺骨の数によって費用は異なってきます。相場は1人用だと50万円程度、家族用では100万円程度が目安となるでしょう。また立地条件や設備などによっても、費用相場に幅があります。

散骨の金額相場

散骨は、遺骨を粉末にして山や海などに撒いて自然に還すという供養方法のひとつです。まだ一般的ではないものの、散骨を希望する人は増えてきています。
散骨は遺骨を埋めるわけではないので、法律では合法と考えられています。しかし条例などで散骨が禁止されている場所もあり、場所ややり方によってトラブルになるケースも。また遺骨は必ず2mm以下まで砕くことが散骨の条件となっています。散骨業者の手を借りずに自力で行うこともできなくはありませんが、実際には難しいため信頼できる業者に依頼することをおすすめします。
費用は、散骨を行う場所によって相場が異なります。山などに撒く山林散骨は10~20万円が相場とされています。海に撒く海洋散骨では一家族のみで船を出す場合は20~35万円、他の家族と相乗りする合同散骨だと10万円程度が費用相場とされています。
ただし散骨は葬祭業者以外でも参入できるため、業者によって料金だけでなくサービスの質が異なることも多いので注意が必要です。また海外で散骨する場合は、国や地域によってルールが異なるため、その国や地域のルールに精通した散骨業者を選ぶようにしましょう。その際は散骨費用のほかに渡航費用も必要となることも踏まえておくようにしましょう。

手元供養の場合

手元供養の場合
手元供養とは、遺骨をお墓に埋葬せずに自宅で保管するという供養の方法です。骨壺のまま安置するケースのほか、命日から四十九日まで自宅に置いておく、後飾り祭壇を供養場所としたり収骨できる仏壇を購入したりする場合もあります。
遺骨は墓地以外のところに埋めると法律に違反することになりますが、自宅での保管は違反にはなりません。自宅での供養だと毎日お参りができ、お墓の購入費用も必要ありません。ただし供養する方が亡くなった場合など、最終的にはどこかに納骨する必要がでてきます。

費用相場を理解し、慎重なお墓選びを

費用相場を理解し、慎重なお墓選びを
お墓を購入するには、まず費用相場を理解した上で予算を決めるようにしましょう。インターネットなどを利用して情報を収集し、希望する地域での費用相場を理解した上で、購入後の諸経費を含んだ額で予算を組み立てます。候補がある程度絞り込まれたら、資料の取り寄せだけでなく、現地見学に行って実際の様子を確かめるようにしましょう。
一般墓の場合、費用と同時にクリアしておきたいのが承継者の問題です。お墓を継ぐ人がいないと将来的には無縁仏になってしまうおそれがあります。承継者がいない場合は、永代供養付きの樹木葬や納骨堂を選ぶなど、方向転換も大切だといえるでしょう。いずれにせよお墓は安い買い物ではないので、慎重に選ぶようにしてください。

證大寺のお墓

證大寺のお墓
写真:船橋昭和浄苑の一般墓と永代供養墓
證大寺は発祥から1200年の歴史を持つお寺で、東京都江戸川区に本坊を構えています。宗派は浄土真宗大谷派で、正式名称は法輪山 證大寺 続命院といいます。江戸川区にある本坊のほか、埼玉県に「森林公園昭和浄苑」、千葉県には「船橋昭和浄苑」と、2つの霊園を直接運営しています。

お墓の種類が豊富

お墓の種類が豊富
写真: 森林公園昭和浄苑の樹木葬と一般墓
證大寺 昭和浄苑の墓地には一般墓に加えて、樹木葬、納骨堂、永代供養墓などさまざまな種類のお墓が揃っていて多くの選択肢から選ぶことができます。
樹木葬・納骨堂では1人用の個別区画のほか、夫婦などで入れるペア区画、最大8名まで納骨できる家族区画があります。證大寺の樹木葬・納骨堂ではどのタイプでも、ペットも一緒に入れる区画があるのも特徴といえるでしょう。また一般墓以外では檀家にならなくても入ることができ、存命時の宗旨・宗派も不問です。樹木葬・納骨堂とも永代供養がついているので、後継者がいない方も安心です。

お参りしやすく人気

アクセスしやすい場所にあり、お墓参りに行きやすいというのも證大寺お墓の特徴といえるでしょう。本坊も2つの昭和浄苑も交通の便がよく、最寄り駅から無料の送迎バスも運行されています。また月に1度利用できる「お寺タクシー」では、自宅まで迎えに来てくれてお参りの後は好きな場所まで送ってくれるという無料サービスもあります。墓地や霊園は美しく整備されていて、気持ちよくお参りができます。また閉園時間がないので、夜でもお参りすることができます。もちろん供養も手厚く、毎日僧侶が読経を行ってくれます。
證大寺でも、2つの昭和浄苑でも、無料相談や見学会などが随時開催されているので、お墓を考えている方は参加してみるとよいでしょう。

まとめ

まとめ
お墓の購入には、まとまった金額の費用が必要です。しかし現代では一般墓だけではなく、樹木葬や納骨堂など費用が抑えられる選択肢も増えてきました。情報収集して費用相場を知るのはもちろんですが、まずは自分や家族にとって最も適したお墓とは、どんなものかを考えることから始めてみてはいかがでしょうか。

お墓の値段に関する監修
仏教人生大学 講師
目﨑 明弘

PROFILE
證大寺 森林公園別院に所属。18歳から28歳まで京都の大谷大学で仏教を学ぶ。その後、真宗大谷派の本山である東本願寺の同朋会館で五年間勤務。現在は、銀座別院等で講師を担う。

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