火葬許可証の手続き完全ガイド|申請・再発行・当日の流れまで解説

火葬許可証とは何か、取得の手続きや再発行方法、必要書類、葬儀当日の流れまでをわかりやすく解説。実際の記入例やQ&Aも掲載し、不安を解消します。
目次
●火葬許可証とは?発行の意味と役割
●【ステップ別】火葬許可証の手続きの全手順
●【もしもの時】火葬許可証を紛失した場合の再発行手続き
●火葬許可証に関するよくある質問(Q&A)
●葬儀当日の流れ:火葬許可証をいつ誰に渡すか
●證大寺について
●まとめ
火葬許可証とは?発行の意味と役割
大切な方を見送る場面では、聞き慣れないさまざまな手続きが必要となります。
火葬許可証は、文字通り「火葬」を行うための許可を証明する公的書類で、「墓地、埋葬等に関する法律(通称:墓埋法)」に基づき発行されるものです。死亡届を市区町村役場に提出すると、その情報をもとに火葬許可証が発行され、これを火葬場に提出することで、法律に則って火葬を実施することができます。
【ステップ別】火葬許可証の手続きの全手順
大切な方を亡くされた後は、深い悲しみの中でもさまざまな手続きを行わなければなりません。なかでも火葬を行うために必要な「火葬許可証」を取得するには、いくつかの決まった手順を踏む必要があります。この章では、火葬許可証を受け取るまでの流れを、できるだけわかりやすくステップごとにご紹介します。なお、手続きには自治体ごとの違いもありますので、不明な点がある場合は役所に確認されることをおすすめします。
ステップ1:医師から「死亡診断書(死体検案書)」を受け取る
火葬許可証の手続きは、「死亡診断書」または「死体検案書」の受け取りから始まります。病院で亡くなられた場合、担当の医師が死亡診断書を作成してくれます。自宅などで亡くなられた場合や、死因が不明なケースでは、警察を通じて検視が行われ、「死体検案書」が発行されます。いずれも、故人が亡くなったことを公的に証明する大切な書類であり、以降の手続きの基盤となります。通常はA3サイズの用紙に「死亡届」と一体になっており、この原本を使って役所に届け出ることになります。大切に保管し、速やかに提出の準備を進めましょう。
ステップ2:市区町村役場に「死亡届」を提出する
死亡診断書を受け取ったら、次に市区町村役場へ「死亡届」を提出します。これは、戸籍法に基づいて定められた義務で、死亡の事実を知った日から7日以内に届け出る必要があります。提出先は、故人の本籍地、死亡地、または届出人の所在地の役所です。一般的には「戸籍課」や「市民課」といった窓口が担当し、届け出には死亡診断書(死亡届と一体)、届出人の認印、身分証明書などが必要です。喪主が行うことが多いですが、葬儀社が代行する場合もあります。自治体によって受付時間や必要書類が異なるため、事前に役所の公式サイトや窓口に確認しておくと安心です。
ステップ3:「死体火葬許可申請書」を記入・提出する
死亡届の提出と同時に、「死体火葬許可申請書」を提出します。これは、法律に基づいて火葬を行う許可を得るための申請書で、通常は役所の窓口で配布されるほか、自治体によっては公式サイトからダウンロードできる場合もあります。必要事項を記入し、認印や身分証とともに提出します。代理人による申請も可能で、その場合は委任状や代理人の本人確認書類が求められることがあります。遠方に住んでいて手続きが難しい場合には、葬儀社に依頼することも可能です。提出期限は、死亡の事実を知ってから7日以内とされており、できるだけ早めの手続きをおすすめします。不明点がある場合は、市区町村の戸籍係や市民課に問い合わせると丁寧に対応してもらえます。
■新規申請時に必要なものリスト
火葬許可証の新規申請時には、以下の書類や情報を用意しておくとスムーズです。
・死亡診断書(または死体検案書)原本
・届出人の本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカードなど)
・届出人の認印(シャチハタ不可)
・死体火葬許可申請書(役所窓口またはWebで入手可能)
・故人の氏名・生年月日・死亡日時などの情報
・火葬場の予約情報(必要な場合)
地域により異なる点もあるため、役所公式サイトで最新情報を確認しましょう。
■死体火葬許可申請書の記入例
「死体火葬許可申請書」の記入にあたっては、自治体によって書式が異なることがあります。たとえば川崎市の場合、公式サイトで「申請書+記入例PDF」を公開しており、実際の記入イメージを確認できます。
https://www.city.kawasaki.jp/templates/faq/250/0000012379.html/
こうした記入例を参考に、正確な記入を行うことで記入ミスや再提出を防ぐことができます。
また、東京都江戸川区では、死亡届と同時に「死体火葬許可申請」を行う旨を公式に案内しております。
https://www.city.edogawa.tokyo.jp/e031/kurashi/todoke/koseki/shibou.html
埼玉県東松山市においても、死亡届提出時に同書類を併せて提出するよう案内されています(火葬場予約との連携あり)。
https://www.city.higashimatsuyama.lg.jp/soshiki/28/2124.html
船橋市でも死亡届提出に際し、火葬場予約と申請の同時進行が依頼されています。
https://www.city.funabashi.lg.jp/kurashi/koseki/001/p009785.html
こうして自治体HPを確認いただくことで、提出書式の整合や記入漏れ防止につながります。
ステップ4:「火葬許可証」が交付される
申請が受理されると、市区町村から「火葬許可証」が交付されます。この書類は、火葬を行う際に火葬場へ提出する必要がある、大変重要な公的書類です。発行にはそれほど時間はかからず、死亡届と火葬許可申請書が正しく受理されれば、その場で交付されることが一般的です。ただし、自治体によっては交付に多少の時間を要する場合もあるため、スケジュールには余裕を持っておきましょう。また、火葬許可証は火葬後に火葬場で一部が記入されたうえで返却され、「埋葬許可証」として納骨の際に使用されることもあります。紛失しないよう、丁寧に保管しておきましょう。
【もしもの時】火葬許可証を紛失した場合の再発行手続き
大切な方を見送ったあとの手続きのなかで、ふとした拍子に火葬許可証を紛失してしまうことがあります。心の整理がつかない中での慌ただしい日々、書類の管理が行き届かなくなるのは当然のことです。ですが、どうかご安心ください。火葬許可証は再発行が可能な書類です。
再発行の手続きは、死亡届を提出した市区町村の役所で行えます。窓口での手続きのほか、自治体によっては郵送でも受け付けている場合があります。必要な書類や受付時間は地域により異なるため、事前に役所の公式サイトや窓口に確認すると安心です。万が一火葬後に紛失した場合は、「埋葬許可証」の再発行として扱われます。焦らず、ひとつずつ確認しながら進めていきましょう。
再発行はどこでできる?申請先と受付時間
火葬許可証の再発行は、死亡届を提出した市区町村役場で行うのが原則です。これは、火葬許可証が死亡届をもとに発行される書類であるため、手続きを行った自治体にしか再発行の記録が残っていないためです。
申請は役所の戸籍課や市民課などで受け付けていますが、自治体によって窓口名や対応時間が異なる場合があるため、事前に電話や公式サイトで確認しておくと安心です。また、一部の自治体では郵送での申請にも対応しており、その場合は必要書類の写しや返信用封筒の準備が求められます。遠方にお住まいの方や、すぐに窓口に行けない方は、郵送申請の可否を確認してみるとよいでしょう。
再発行の申請に必要なものリスト
火葬許可証(または埋葬許可証)を申請する際には、以下のような書類や情報が一般的に必要とされます。新規申請とは若干異なる点もありますので、あわせて確認しておきましょう。
※地域によって必要書類に差異があるため、必ず各市区町村の公式サイトで事前にご確認ください。
・本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカードなど)
・認印(シャチハタ不可)
・申請書(自治体で所定の様式がある場合も)
・故人の氏名・生年月日・死亡年月日などの情報
・火葬が行われた火葬場名や住所(必要に応じて)
・手数料(多くの自治体では数百円程度)
申請者が故人の遺族であることが確認できる場合には問題ありませんが、第三者が代理で手続きする場合には、委任状や代理人の本人確認書類が必要になることもあります。役所によって求められる書類に差があるため、事前確認をお忘れなく。
注意:火葬後に紛失した場合は「埋葬許可証」の再発行になる
火葬許可証は、火葬場での使用後に必要事項が記載され、「埋葬許可証」としての役割を持つ書類へと変わります。そのため、火葬が終わったあとに紛失した場合には、「火葬許可証」ではなく「埋葬許可証の再発行」として手続きを行うことになります。
再発行の申請先は同じく死亡届を提出した市区町村役場です。ただし、火葬から長期間が経っている場合や、火葬場の所在が異なる自治体にある場合などは、火葬証明書の提出を求められることもあります。こうした場合でも慌てず、まずは役所に事情を説明すれば、状況に応じた対応を案内してもらえますので、安心してご相談ください。
火葬許可証に関するよくある質問(Q&A)
火葬許可証は人生で何度も関わるものではないため、初めての手続きでは不安や疑問も多いかもしれません。ここでは、火葬許可証に関してよく寄せられる質問とその回答をまとめました。実際の手続きに役立つ情報をわかりやすくご案内します。
Q1.火葬許可証に有効期限はありますか?
法律上、有効期限は定められていませんが、火葬場の運用ルールとして発行日から30日以内の使用を推奨するケースが多く見られます。長期間保管して火葬を行う場合は、事前に火葬場や葬儀社に確認することをおすすめします。早めの手続きを心がけることで、安心してお見送りの準備が進められるでしょう。
Q2.火葬許可証はコピーでも大丈夫ですか?
火葬場での手続きには必ず原本が必要です。コピーでは受付してもらえませんので、原本を失くさないように丁寧に保管してください。ただし、生命保険や年金などの事後手続きにはコピーが使えるケースもあります。必要に応じて、あらかじめコピーを複数準備しておくと安心です。
Q3.土日や夜間でも受け取ることはできますか?
自治体によっては、夜間・休日窓口で死亡届と火葬許可申請を受け付けています。東京都大田区では平日17時〜19時、日曜9時〜17時に受付が可能、相模原市でも休日対応があります。ただしその場で交付されず、翌開庁日に正式発行されることもあるため、早めの確認が大切です。急ぎの場合は、担当窓口に相談しておくと安心です。
Q4.費用はかかりますか?
初回の火葬許可証の発行は無料です。しかし、紛失や再発行の場合には手数料がかかることがあります。たとえば木更津市、奈良市、加東市ではいずれも300円程度の再交付手数料が設定されています。郵送申請時には定額小為替や返信用封筒の同封が必要な場合もありますので、事前に該当自治体のホームページや電話で確認しておきましょう。
Q5.火葬許可証はどれくらい保管しておくべきですか?
火葬許可証は、納骨や埋葬の際に提出が必要になるため、少なくとも手続きがすべて完了するまでは大切に保管しておきましょう。さらに、墓地の移転や改葬、行政への申請が必要になる場面など、後日改めて提示を求められることもあるため、念のため数年間は保管しておくのがおすすめです。コピーを取っておくとより安心です。
Q6.外国籍の方が亡くなった場合も火葬許可証は必要ですか?
はい、日本国内で火葬を行う場合は、国籍に関係なく火葬許可証の取得が必要です。ただし、外国籍の方が亡くなられた場合、在留カードやパスポート、場合によっては大使館や領事館の証明書など、追加の書類提出を求められることがあります。書類の要否や提出先は自治体によって異なるため、事前に市区町村役場で確認することが大切です。
葬儀当日の流れ:火葬許可証をいつ誰に渡すか
葬儀当日は、深い悲しみの中にも慌ただしく進行する場面が多くあります。その中でも火葬許可証は、火葬を実施する上で絶対に忘れてはならない重要な書類です。火葬場での手続きやマナーについて事前に知っておくことで、当日を落ち着いて迎える助けになります。ここでは、火葬許可証の取り扱いとともに、費用や心づけ、参列時の振る舞いについても丁寧にご案内します。
火葬許可証は、火葬場へ到着した際に提出が求められる重要な公的書類です。原則として喪主が持参し、火葬場の受付窓口(管理事務所)に直接提出します。ただし、当日は多くの手続きを並行して行うため、葬儀社のスタッフが預かって代行することが一般的です。万一紛失していると火葬そのものができなくなるため、葬儀前日までにしっかりと確認しておくことが大切です。
受付後は、棺が炉前に運ばれ、読経や焼香など最後のお別れが執り行われます。このときの服装や言葉遣いには、過度な装飾や大声を避けるなど、控えめな所作を心がけることがマナーとされています。
火葬が始まると、遺族は控室で待機します。火葬の所要時間はおおむね1〜2時間程度です。その間に、火葬場や霊柩車のスタッフへ「心づけ」(目安:3,000〜5,000円程度/現金または封筒に入れて渡す)を渡す地域習慣がある場合もあります。最近では不要とされる場面も増えていますが、地域や施設によって異なるため、葬儀社に確認しておくと安心です。とくに公営火葬場では、職員への心づけを禁止しているケースもあります。一方、地方の一部地域では習慣が続いていることもあるため、迷う場合は事前に火葬場や葬儀社へ確認を取るとよいでしょう。
火葬終了後は「収骨(骨上げ)」が行われ、遺族が骨壺へお骨を納めます。その際、火葬場の係員から火葬許可証に火葬済の印が押され、「埋葬許可証」として返却されます。この書類は後日、納骨の際に再び必要になるため、紛失しないよう大切に保管してください。
證大寺について
火葬を終えたあと、「納骨先をどうするか」という新たな悩みに直面する方も少なくありません。そうしたとき、静かに寄り添ってくれる場所として、證大寺をご紹介します。
證大寺は、東京都江戸川区にある浄土真宗大谷派のお寺です。本坊に加えて、埼玉県の森林公園や千葉県船橋市にも「昭和浄苑」という霊園を運営しており、すべて寺院直営の安心感ある環境が整っています。
一般墓はもちろん、合祀墓や樹木葬といった現代のニーズに応える多様な納骨スタイルにも対応しており、ご遺族の想いやご事情に応じたご提案が可能です。納骨先がまだ決まっておらずお悩みの方は、火葬後の手続きのひとつとして、證大寺にご相談いただくのも一つの選択肢です。
詳細は、以下の専用サイトをご覧ください。
森林公園 昭和浄苑:https://higashimatsuyama2.eitaikuyou.life/
證大寺 江戸川:https://edogawa2.eitaikuyou.life/
船橋 昭和浄苑:https://funabashi2.eitaikuyou.life/
まとめ
火葬許可証は、大切な方をお見送りするために欠かせない書類でありながら、その存在や手続きについては、いざという時に初めて知る方がほとんどです。本記事では、火葬許可証の意味や取得方法、もしもの紛失時の対応、葬儀当日の流れに至るまで、できる限りわかりやすくご紹介しました。
悲しみの中で進める手続きには戸惑いも多いかもしれませんが、あらかじめ流れを知っておくことで、心に少し余裕が生まれることもあります。また、不安なことがあれば、葬儀社や役所に相談すれば丁寧に対応してもらえます。
火葬許可証は、故人を穏やかに送り出すための第一歩。そして納骨に至るまで、故人を敬う気持ちを支えてくれる大切な書類です。手続きを通じて、故人との別れの時間が静かで温かいものとなるよう、心から願っています。