四十九日法要の挨拶の完全ガイド|例文付きで詳しく解説

四十九日法要は忌明け法要とも呼ばれる大きな法要で、家族だけでなく親族や友人も参列するケースもあります。そのため施主はもちろん参列者も、挨拶シーンが多く訪れることになります。「どんなことを言えばいいのか」と悩むことがないよう、四十九日法要での挨拶について、具体的な例文をあげながら解説します。
目次
●四十九日法要の挨拶とは?基本的な役割と意味
●四十九日法要の挨拶をする際のポイントとマナー【施主側】
●四十九日法要の挨拶例文【施主側】
●四十九日法要で僧侶へお布施を渡す際の挨拶例文【施主側】
●四十九日法要で施主や遺族に対して挨拶するときのマナーと例文【参列者側】
●「證大寺」の四十九日法要
●まとめ
四十九日法要の挨拶とは?基本的な役割と意味
四十九日法要は、葬儀後に行う儀式の中で最も重要とされる法要です。まずは四十九日法要について、また施主が挨拶を行う意味について知っておきましょう。
四十九日法要とは?供養の意味と重要性
四十九日法要が大切とされるのには、仏教での考え方が背景にあります。人が亡くなると四十九日までは忌中となり、その間、遺族は故人の死を悼みながら身を慎んで過ごすものとされています。そして四十九日法要をもって「忌明け(きあけ)」となります。仏教では故人は7日ごとに審判を受け、最終となる四十九日目で極楽浄土に行けるかどうかが決まるとされているからです(宗派によって考え方が異なります)。かつては七日ごとに追善供養がされていましたが、現代ではもっとも重要な四十九日法要のみを行うのが一般的となっています。
四十九日法要の挨拶とは?
四十九日法要は大きな区切りとなる法要であるため、親族や故人と親交があった人を招いて行うことが多いです。そのため施主が挨拶をするタイミングもたびたびあるので、事前に準備するようにしましょう。また献杯など、参列者にお願いして挨拶していただく場合もあります。
■いつ、誰が、どんな挨拶を行うか
法要の開始と締めの挨拶は施主が行うのが通例となっています。また会食を行う場合は、会食前と終了の挨拶も施主が行います。会食事の献杯の挨拶は施主が行ってもかまいませんが、参列者にお願いして挨拶してもらう場合もあります。
このほか、施主は僧侶への挨拶も忘れず行ないましょう。また参列者は法要の受付などの際に遺族へ挨拶をし、帰り際にも短く挨拶するようにしましょう。
■挨拶の基本|伝えるべき内容とは
四十九日法要の挨拶では、施主は参列者に対して貴重な時間を割いて集まってくれたことへの感謝を伝えるのが基本となります。失礼がないよう、丁寧な挨拶を心がけるようにしましょう。
参列者側の挨拶としては、法要に招いてもらったことへのお礼とともに、故人へ感謝の気持ちを伝えるようにするのがよいでしょう。
四十九日法要の挨拶をする際のポイントとマナー【施主側】
施主は四十九日法要で、何度も挨拶することになります。その際に気を付けたいポイントをまとめました。以下について注意して、マナー違反とならないように気をつけましょう。
簡潔に話す
四十九日法要当日は、法要や会食などのやるべきことがたくさんあります。長々と挨拶をしていると後の行事に響くこともあるので、簡潔な挨拶となるよう心がけましょう。事前に挨拶の内容を決めておくだけでなく、どのくらいの時間がかかるかも把握しておくことをおすすめします。
忌み言葉や重ね言葉を使わない
忌み言葉とは、冠婚葬祭で使うべきではないとされる言葉です。たとえば「浮かばれない」「迷う」などは、故人があの世で迷うことを指すことになるので、避けるべきだとされています。
重ね言葉は「くれぐれも」「重ね重ね」など同じ言葉を繰り返すというものです。不幸が重なることを連想させるので、これらも使わないようにしましょう。
故人の欠点には触れない
故人の欠点や失敗談に触れるのは、基本的には避けるようにします。故人の思い出を微笑ましい気持ちで言い添えたつもりでも、参列者のなかには不快に感じる方がいるかもしれません。また故人の死因についても触れないのが無難で、深く話題にすることは慎むようにしましょう。
紙で話す内容をメモしておくとよい
四十九日法要の挨拶が適切で丁寧なものになるよう、前もってメモを作って準備しておきましょう。話す内容をメモしたものを用意して、それを見ながら挨拶をしてもマナー違反には当たりません。ただしメモだけを見て単に読み上げるのではなく、参列者の顔を見ながら話すように意識しましょう。
四十九日法要の挨拶例文【施主側】
では具体的な挨拶はどのようなものがよいのでしょうか。四十九日法要での施主挨拶をシーン別に分けて例文を紹介します。注意点も添えておくので、参考にしてください。
開始の挨拶
四十九日法要の始まりは施主の挨拶から始まります。開始の挨拶では参列者に来場のお礼を述べ、これから四十九日法要を行うという宣言をします。僧侶を祭壇へ案内して、参列者が揃ったことを確認してから挨拶を行いましょう。
<挨拶例文>
本日はお忙しい中、故【故人名】のためにお集まりいただき、誠にありがとうございます。
これより、故【故人名】の四十九日法要を始めさせていただきます。
それではご住職様、よろしくお願いいたします。
※亡くなった人の名を呼ぶ際は、名前の頭に「故」を付けるのが一般的です。
※故人名は戒名にするのが正しいとされていますが、最近では俗名とするケースも増えています。
※施主との関係性がわかるよう、故【故人名】だけでなく、「亡き母」「亡き父」などと呼ぶ場合もあります。
締めの挨拶
締めの挨拶は法要後に行います。挨拶の内容としては、四十九日法要が無事に終わったお礼を述べ、納骨式や会食等があれば、その案内も行うようにします。
<挨拶例文>
おかげさまで、故【故人名】の四十九日法要を無事に終えることができました。ご臨席賜りまして、誠にありがとうございます。心よりお礼申し上げます。
この後、墓地に移動し納骨式を執り行います。その後は心ばかりではございますが、別室にてお食事を用意しております。今しばらくお付き合いいただければと思います。
※会食等がない場合は。「これにてお開きとしたいと思います。」などと閉会を宣言し、最後に「本日は誠にありがとうございました」とお礼で結ぶようにします。
会食開始の挨拶
法要後の会食ではまず参加のお礼を述べて挨拶し、ゆっくり過ごしてほしい旨を伝えて開始の合図とします。
<挨拶例文>
本日はお忙しい中お集まりいただき、ありがとうございました。おかげさまで、故【故人名】の四十九日法要を無事に終えることができました。ささやかではございますが、お食事をご用意いたしました。お時間の許す限り、ゆっくりおくつろぎください。また故【故人名】の思い出話なども、どうぞお聞かせください。」
献杯の挨拶
献杯の挨拶は参列者に依頼することもありますが、施主が行ってもかまいません。施主が献杯の挨拶をする場合は、会食前の挨拶に引き続く形で行います。ちなみに献杯は故人にお酒を捧げるという意味で、献杯が終わってから食事が始まります。
<挨拶文>
それではお手元のグラスをお取りください。(参列者がグラスを手に取ったのを確認してから)故人の安寧と皆さまのご多幸をお祈りし、ご唱和をお願いいたします。献杯。
会食終了の挨拶
参列者の食事が終わり、ほどよい時間が経過したら、会食終了の挨拶を行います。参加してくれたお礼とお開きになる旨を伝え、返礼品がある場合はその案内も行うようにしましょう。
<挨拶例文>
本日は御多忙中にも関わらず、故【故人名】ためにお集まりいただき、お付き合いいただきまして誠にありがとうございます。故【故人名】もとても喜んでいることと思います。
なごり惜しくはありますが、そろそろお時間となりましたのでお開きとさせていただきます。
【故人名】亡き後も、生前同様にご指導いただけますようよろしくお願いいたします。
ささやかですが、お手元にお礼の品をご用意しました。お荷物になり恐縮ですが、どうぞお持ち帰りください。本日は誠にありがとうございました。
四十九日法要で僧侶へお布施を渡す際の挨拶例文【施主側】
僧侶が到着した際と帰る際には、僧侶への挨拶も忘れずに行いましょう。特にお布施を渡すタイミングでは、きちんとお礼を述べて挨拶するようにします。お布施を渡すのは法要の前でも後でもよいとされているので、僧侶の到着時間などで判断するとよいでしょう。
<法要前の挨拶例文>
本日はお忙しい中、お越しいただきましてありがとうございます。この度の【故人名】の四十九日法要、何卒よろしくお願いいたします。何かと行き届かぬ点も多いと思いますが、精一杯務めさせていただきます。心ばかりのものですが、どうぞお納めください(お布施を渡す)。本日はよろしくお願いいたします。
<法要後の挨拶例文>
この度はお越しいただきまして、誠にありがとうございました。おかげさまで、【故人名】の四十九日法要を滞りなく終えることができました。【故人名】も喜んでいることと思います。些少ではございますが、お礼をお納めください(お布施を渡す)。今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。
※僧侶が法要後の会食に同席する場合は、会食の後で挨拶してお布施を渡します。同席の場合は、お布施、お車代の2つを渡すのが一般的です。僧侶が会食を辞退した場合は、上記に加えて御膳料を包みます。
四十九日法要で施主や遺族に対して挨拶するときのマナーと例文【参列者側】
四十九日法要の参列者は、受付時や帰り際などに施主や遺族へ挨拶をします。このほか献杯の挨拶を依頼された場合は、快く引き受けるようにしましょう。挨拶する際の注意点は施主同様で、手短に行い、忌み言葉を使わず、故人の欠点に触れない等のマナーを守るようにしましょう。
遺族に対しての挨拶例文
施主や遺族への挨拶は、法要前の会場到着時や会食後引き出物を受け取る時など、施主や遺族と話す機会があった時に行うようにします。その際、故人との関係を含めた自己紹介を行い、法要に招いてくれたことへの感謝を伝えるほか、故人への気持ちや遺族へのねぎらいの言葉などを述べるようにします。事前に挨拶を用意しておいてもかまいませんが、遺族に声を掛ける時はメモを読み上げることはしないのがマナーとなっています。
<挨拶例文>
【故人名】さんとは、同僚(など故人と自分の関係性)として親しくさせていただいておりました、【自分の名前】と申します。本日は四十九日の法要にお招きいただきまして、ありがとうございます。【故人名】さんには、日頃から大変よくしていただいておりました。
みなさま、まだ大変なこともあるかと思いますが、少しでもお力になれればと思っております。
この度の【故人名】さんの法要に参加させていただき、本当にありがとうございました。
※四十九日の法要では「ご愁傷様です」という言葉はマナー違反なので使わないようにします。
※例文を参考に、自分の言葉で心から声をかけるようにしましょう。
献杯の挨拶例文
施主に依頼されて献杯の挨拶をする場合は、自己紹介や故人との思い出を簡単にしたうえで、献杯の音頭を取るようにしましょう。また献杯は乾杯とは異なり、杯を高く持ち上げず大きな音を出さないよう静かに行うのがマナーとなっています。
<挨拶例文>
【故人名】さんと同僚(など故人と自分の関係性)であった【自分の名前】と申します。
亡き【故人名】さんは、これまで私たちに多くのことを教えてくれました。正直なところ、いまだに信じられない気持ちでいっぱいで、本当に残念でなりません。それでは、ここに故人を偲び、献杯を行いたいと思います。【故人名】さんに、献杯。
「證大寺」の四十九日法要
浄土真宗大谷派のお寺である證大寺では、お寺で四十九日法要を営むことができます。證大寺は埼玉県と千葉県で「森林公園昭和浄苑」「船橋昭和浄苑」という霊園を直接運営していますが、この2つの霊園にも本堂があって、お寺と同様に四十九日法要が開催できます。
主催者にも参列者にもやさしい法要
四十九日法要は葬儀の後の慌ただしさが続くなかで、手配すべきことが多いものです。しかし證大寺や昭和浄苑で行う場合は、お寺が施主や遺族に代ってすべて行ってもらえます。供物や供花はもちろん返礼品の手配もお寺におまかせできます。またお斉場と呼ばれる会食場もあるため、お寺で会食でき、食事の手配もお寺が担当してくれます。四十九日法要に納骨式を行う場合でも、お墓もすぐそばなので、年輩の参列者が多くても移動が少なくすみます。葬儀後間もない遺族の負担を軽減できるだけでなく、参列者にとってもやさしい法要となります。
證大寺や昭和浄苑では四十九日法要以外の法要のほか、通夜や葬儀も證大寺も営むことができます。證大寺や昭和浄苑について詳しくはこちらをご参照ください。
證大寺:https://shoudaiji.or.jp/
證大寺 江戸川:https://edogawa2.eitaikuyou.life/
森林公園 昭和浄苑:https://higashimatsuyama2.eitaikuyou.life/
船橋 昭和浄苑:https://funabashi2.eitaikuyou.life/
まとめ
四十九日法要は、葬儀後に行われる中で特に重要とされる法要です。大きな法要となることが多いため、施主は挨拶する機会が多くなります。当日になって困ることがないように、法要の流れを把握しながら、いつどんな挨拶をするといいのかを事前に準備するようにしましょう。また施主だけでなく参列者が挨拶する場合にもマナーがあります。失礼に当たらないようマナーを心得ておくようにしましょう。