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仏壇じまいとは?流れ・費用・注意点をわかりやすく解説!位牌や供養の方法も紹介

法事

近年ライフスタイルの変化や引き継ぐ者がいないなどの理由で、仏壇じまいを行う人が増えています。しかし仏壇は先祖や故人を供養する大切なものなので、安易な仏壇じまいはおすすめできません。とはいえどうしても処分せざるをえない場合もあるでしょう。そこで仏壇じまいの手順や費用、注意点などについてわかりやすく解説します。

目次
●仏壇じまいとは?
●仏壇じまいのタイミング
●仏壇じまいで魂抜きをしないとどうなる?
●仏壇じまいの流れ|4つの手順を詳しく解説
●仏壇じまいの費用と相場
●仏壇じまいをする際の注意点
●證大寺|お仏壇について
●まとめ

仏壇じまいとは?

仏壇じまいとは?

仏壇じまいとは、仏壇を供養して処分することをいいます。仏壇じまいを行う際には、「魂抜き」と呼ばれる閉眼供養を行います。仏壇には本尊や位牌がおかれていて、そこに先祖の魂が宿るとされています。閉眼供養して魂抜きをすることで、仏壇は供養の対象から「物」に変わります。仏壇を物に戻してから処分するというのが手順となっています。また仏壇に置いていた位牌等も処分の対象となり、こちらはお焚き上げをするか永代供養して処分するのが一般的です。
なお浄土真宗では「仏壇や位牌に魂が宿る」という考えがないため、魂抜きの儀式の代わりに「遷座法要」を行います。遷座法要とは本尊である阿弥陀如来に別の場所へ移ってもらうための儀式です。仏壇じまいの際には、遷座法要をして処分することになります。

仏壇じまいのタイミング

仏壇じまいのタイミング

仏壇じまいするタイミングとは、どのようなケースがあるのでしょうか。以下で具体的に見ていきましょう。

引っ越しのタイミング

引っ越しすることになっても、仏壇を簡単に動かせるなら仏壇じまいする必要ありません。しかし据え付けの仏壇で動かすことが困難だったり、大型で転居先に置くスペースがなかったりする場合は、仏壇を処分せざるを得ないことになります。

継承者がいなくなったタイミング

これまで仏壇を管理していた人が亡くなるなど、継承者がいなくなった場合も仏壇じまいのタイミングとなります。一般的には仏壇を管理していた人の子どもが引き継ぐケースが多いですが、子どもがいない場合や仏壇を引き取れない事情があれば、仏壇じまいすることになります。

仏壇の買い替えのタイミング

仏壇が古くなった、損傷があるなどの理由で、仏壇を新しく買い替えることがあります。新しい仏壇に買い換えて供養自体は引き続き行う場合も、これまでの仏壇を仏壇じまいする必要があります。

仏壇じまいで魂抜きをしないとどうなる?

仏壇じまいで魂抜きをしないとどうなる?

魂抜きとも呼ばれる閉眼供養は、先祖への感謝や供養の気持ちを込めて行う大切な儀式です。このため魂抜きをせずに処分すると「祟りがある」「不幸が訪れる」といった言い伝えがある地域などもあるほどです。とはいえ言い伝えには科学的な根拠はありません。また魂抜きをせずに処分しても、法律に違反するというものでもありません。しかし言い伝えが生まれた背景には「不信心である」「なんとなく落ち着かない」など気持ちの問題が生じているからといえます。安心して処分するためにも、魂抜きを行うなど適切な方法で処分することをおすすめします。

仏壇じまいの流れ|4つの手順を詳しく解説

仏壇じまいは、一定の手順を踏んで進めていくことになります。以下では仏壇じまいの流れや手順を具体的に紹介します。

仏壇じまいの流れ【1】事前準備|家族での話し合い

仏壇じまいの流れ【1】事前準備|家族での話し合い

仏壇には家族や親族の供養の伝統や習慣がこもっている場合が多くあります。特に先祖代々大切にしてきた仏壇なら、特別な存在となっていることもあり得ます。仏壇じまいを行う際には継承者だからといって独断で決めるのではなく、家族や親族で話し合って理解を得るようにしましょう。それが後々のトラブルを防ぐことにもつながります。

仏壇じまいの流れ【2】魂抜き(閉眼供養)

今ある仏壇に対して「開眼供養」を行っていた場合は、処分時に魂抜きの閉眼供養を行います。なんらかの事情で開眼供養を行っていなかった場合は、開眼供養と閉眼供養を同時に行うのが一般的です。いずれの場合も、まずは菩提寺に相談しましょう。菩提寺がない場合は、同じ宗旨宗派の寺に相談してみるとよいでしょう。

仏壇じまいの流れ【3】仏壇や位牌の供養と処分方法

魂抜きが終わったら、仏壇の中を隅々まで確認するようにしましょう。代々続いた仏壇の場合、思わぬ遺品が出てくることもあるので、引き出しの奥など普段使っていなかった場所にも目を向けるようにします。魂抜きした仏壇の処分は、菩提寺に引き取って貰うのが一般的です。そのほか仏具店でも引き取りを行っているところがあります。菩提寺がない場合や仏具店に引き取ってもらえなかった場合は、引き取り処分業者にお願いするのもよいでしょう。
ちなみに法律的には、仏壇を粗大ゴミとして出すことも問題ありません。ただし引き取りを行っていない自治体もあります。なにより粗大ゴミとして処分するのは気が引けるものではないでしょうか。できればお寺や仏具店、専門業者に依頼することをおすすめします。

仏壇じまいの流れ【4】処分後の供養と心の整理

仏壇じまいの流れ【4】処分後の供養と心の整理

仏壇を買い換えて新しくする場合は、位牌等は新しい仏壇に引き継いで供養することになります。しかし供養が続けられないため仏壇じまいする場合は、位牌も一緒に処分するケースが多いです。位牌は菩提寺にお願いしてお焚き上げして処分することが一般的です。
仏壇じまいしても位牌は処分せず、自宅で安置して供養する方法もあります。またお寺や霊園に預けて永代供養することもできます。自宅で供養を続けたり、お焚き上げや永代供養したりするなど適切な方法をとれば、仏壇を処分したことへの後ろめたさが緩和され、心の整理もつけやすくなるでしょう。

仏壇じまいの費用と相場

仏壇じまいの費用と相場

仏壇じまいの費用相場は、地域や宗派によって異なるものの、一般的な目安を紹介します。
魂抜きの閉眼供養のお布施は1~5万円程度が相場とされています。ただしお寺に仏壇を持ち込むのではなく自宅まで来て貰う場合は、僧侶に別途御車代を包むようにします。また魂抜きに加えて仏壇の処分もお寺に依頼する場合は、プラス4万円程度が目安となります。ただし仏壇処分の費用相場は仏壇の大きさによって変わってきます。
仏壇の処分を業者や仏具店に依頼する場合の費用は、2~8万円が目安とされています。この場合も仏壇の大きさや運搬距離で費用相場は変わってきます。

仏壇じまいをする際の注意点

仏壇じまいをする際の注意点

仏壇は先祖や故人の魂の依り代であると同時に、家族の心の拠り所でもあるといえます。仏壇じまいせざるを得なくなっても、位牌や仏壇処分後の供養についてよく考えるようにしましょう。
また継承者だからといって独断で判断するのではなく、家族や親族の意思を尊重しながら話し合い、みんなが納得できる方向で処分するようにしましょう。

證大寺|お仏壇について

證大寺|お仏壇について

写真:證大寺の井上住職と参詣者

江戸川区にある證大寺は、浄土真宗大谷派のお寺です。浄土真宗の教えに基づき、仏壇の魂抜きは行っておりません。その代わりに仏壇じまいする場合には、浄土真宗の作法に則った遷座法要と呼ばれる儀式を行っています。基本的に仏壇の処分の引き受けは、證大寺や運営する昭和浄苑にお墓がある方向けとなっています。しかし仏壇についてわからないことや相談したい場合は、快く話を聞いてもらえます。
たとえば仏壇じまいせざるをえない場合でも、本尊を小さなお仏壇に移せば、先祖や故人様と向き合うことができ、お参りの習慣を絶やさずにすむといった提案をしてくれます。住職によると、最近では仏壇の大きさにはこだわらず、小さい現代的なものが好まれる傾向があるといいます。また遺骨を分骨して小さな骨壺に納め、仏壇に置いて手元供養をするという方も増えているそうです。浄土真宗の仏壇についての質問や供養のやり方などで迷ったら、證大寺に相談してみるのもよいでしょう。
證大寺:https://shoudaiji.or.jp/

證大寺 江戸川:https://edogawa2.eitaikuyou.life/
森林公園 昭和浄苑:https://higashimatsuyama2.eitaikuyou.life/
船橋 昭和浄苑:https://funabashi2.eitaikuyou.life/

まとめ

まとめ

仏壇を引き継ぐ人がいない、大きな仏壇を置くスペースがないなどさまざまな事情で、仏壇じまいを考える方もいらっしゃるでしょう。とはいえ仏壇には仏様の魂が宿るとされており、供養の対象であると同時に、残された方の心の拠り所となっている場合も多くあります。仏壇じまいをする場合には、家族や親族でよく話し合うのが大切です。また心の平穏を保つためにも、魂抜きを行うなど適切な方法で処分するようにしたいものです。

仏壇じまいに関する監修
仏教人生大学 講師
目﨑 明弘

PROFILE
證大寺 森林公園別院に所属。18歳から28歳まで京都の大谷大学で仏教を学ぶ。その後、浄土真宗大谷派の本山である東本願寺の同朋会館で五年間勤務。現在は、銀座別院等で講師を担う。

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