生前葬とは|メリット・デメリットや費用相場、マナーについて解説

お墓

生きているうちに葬儀をあげる「生前葬」。著名人が行ったというニュースが時折報道されることもあり、「生前葬」という言葉をご存知な方も多いでしょう。とはいえまだ一般には馴染みがないため、詳しくは知らない場合がほとんどです。そこで生前葬のメリットやデメリットについて、開催する際の費用相場などについても紹介します。

目次
●生前葬とは?|どんな葬儀?
●生前葬を行うメリットとデメリット
●生前葬の費用相場
●生前葬の準備と流れ
●生前葬の注意点やマナー
●葬儀のご相談|證大寺
●まとめ

生前葬とは?|どんな葬儀?

生前葬とは?|どんな葬儀?

生前葬とは言葉の通り、まだ生きているうちに行う葬儀のことです。存命で元気な間に葬儀を開催し、家族や友人などを招いて行われます。生前葬の形態はさまざまで、通常の葬儀のように決まった形があるわけではありません。また著名人だけでなく一般の人でも催すことがあります。

生前葬の特徴

一般的な葬儀では宗教的な儀式の流れが重視されがちですが、生前葬は本人の希望などを自由に盛り込んだスタイルでできるという特徴があります。趣味を反映した楽しい演出があったり、明るくポジティブな内容だったり、形式に囚われずに催されることが多くあります。また参列者の服装も平服を推奨されることが多く、香典ではなく会費制にするなど自由度が高いことが生前葬の特徴といえます。

生前葬を行う意味

通常の葬儀は、参列者が故人を偲びながら見送るというものです。一方、生前葬は主宰者が親しい人を招き、これまでの感謝を伝えるといった意味合いで行われることが多いです。「元気なうちにしっかり感謝を伝えられるように」「気持ち伝えられないまま亡くなりたくない」などといった考えから、定年退職や古希・喜寿などの人生の節目に生前葬を行うケースが見られます。
そのほか死後の葬儀を簡略化するために、生前葬を催すという方もいます。亡くなった後に葬儀を執り行う場合は、短期間で多くの準備が必要となります。あらかじめ生前葬を行うことで、遺族の負担を軽減するという目的で検討されるケースもあるようです。

生前葬に宗教は関係ある?

生前葬は仏事ではないので、無宗教でおこなわれるのが一般的です。前述のように本人の希望で自由に内容を決めることが多いため、結婚式の披露宴のように余興やスピーチ、会食などが行われるケースが多く見られます。ただし本人の希望があれば、一般葬と同じような形式で宗教的な要素を取り入れたものになることもあります。

生前葬を行うメリットとデメリット

生前葬を行うメリットとデメリット

生前葬には、通常の葬儀にはないメリットがある反面、デメリットもあります。どのようなメリットやデメリットがあるか見ていきましょう。

生前葬のメリット

生前葬のメリットは、生きているうちに自分の気持ちや考えを伝えられる場を設けられるということです。人生の節目に行うことで、その後の人生を前向きで充実したものにするのにも有効といえるでしょう。またお葬式にこだわりがある方にとっては、自分の理想の葬儀を具現化できるというメリットもあります。また通常の葬儀のように時間に追われないので、余裕をもって準備することができるのもメリットといえるでしょう。そのほかにも生前葬をすることで死後の葬儀を簡略化できれば、遺族の負担も軽減できます。

生前葬のデメリット

生前葬を開催する人はまだまだ少数派です。それ故に家族や親族、参列してほしい方などに理解してもらえない場合もあります。中には生前葬を「不謹慎」「縁起が悪い」などと否定的に考える人もいます。また否定的とまででなくても趣旨を理解できず、参列者が集まりにくいという懸念も生じがちです。
また生前葬は自由度が高いことが魅力であるものの、決まった形式がないため内容を考える手間がかかるというデメリットもあります。理想の生前葬とするために凝った内容にすると、費用もそれなりに嵩みます。
生前葬を遺族の負担を減らすために行いたい場合も、注意が必要です。遺族が一般的な葬儀を望んだ場合、結果的に二重に費用や負担が発生する可能性もあるからです。

生前葬の費用相場

生前葬の費用相場

生前葬では通常の葬儀と同様に、会場費、生花費のほか、飲食代や返礼品代などの費用がかかるケースがほとんどです。このほか演出によっては音響設備やプロジェクター、装飾などの設営費なども別途必要になってきます。費用相場は場所や規模、飲食の内容などで異なりますが、高級ホテルで30名以上が参加して行う場合は150万円以上が目安とされています。
生前葬を行う場合は、設営を依頼する葬儀社によって値段に開きがありがちなので、数社から見積もりを取って比較するようにしましょう。また費用は主催者が全額負担することもありますが、会費制で参列者に一部を負担してもらうケースも見られます。

生前葬の準備と流れ

生前葬の準備と流れ

生前葬の事前準備は、まず生前葬を扱っている葬儀社を探して相談することから始めます。葬儀社が決まったら相談して会場や当日の内容を決めていきます。それと並行して誰に参列して貰いたいかをリスト化し、招待状を送付します。
生前葬の流れは内容によって異なりますが、よくあるパターンではまずは開式の挨拶を行います。その後、人生を振り返る映像の演出や友人等のスピーチなどが行われ、参列者が会食しながら歓談します。最後に本人が挨拶して閉会となることが多いです。

生前葬の注意点やマナー

生前葬の注意点やマナー

生前葬を行う場合は、1ヶ月以上前までに参列してほしい方に招待状などで告知するようにします。その際になぜ生前葬を行うのかという理由もきちんと説明しましょう。同時に、香典は辞退するのか、会費制にするかなど費用についても明確にお知らせするようにします。

生前葬のマナー

さらに服装についてもドレスコードを決め、参列者が迷うことのないような配慮が必要です。これらを明確に示した上で、参加するか否かは参列者に委ねるようにしましょう。生前葬に理解がない人もいるので、参加を強要するようなことがないようにするのがマナーといえるでしょう。

葬儀のご相談|證大寺

葬儀のご相談|證大寺

證大寺は東京都江戸川区にある浄土真宗大谷派のお寺です。證大寺では生前葬は執り行っていないものの、「遺族に負担を掛けたくない」「亡くなった後、思い通りの葬儀にしたい」という理由で生前葬を考えている方に、寄り添った方法を用意しています。それが葬儀の「生前予約」です。
生前予約の場合、葬儀は没後に行うことになりますが、希望に添った葬儀が実現できたり、遺族の負担を減らしたりすることができます。お寺での葬儀は荘厳な雰囲気があり、斎場などでの葬儀とはひと味もふた味も違った趣があります。葬儀のことで悩んでいるなら、證大寺に相談してみてはいかがでしょうか。
證大寺:https://shoudaiji.or.jp/

證大寺 江戸川:https://edogawa2.eitaikuyou.life/
森林公園 昭和浄苑:https://higashimatsuyama2.eitaikuyou.life/
船橋 昭和浄苑:https://funabashi2.eitaikuyou.life/

まとめ

まとめ

生前葬はこれまでの感謝を伝え、悔いなくお別れできるようにするだけでなく、その後の人生も前向きにできる場となります。しかし一般に浸透しているものではないので、家族や参列者に納得してもらえるかどうかで結果が変わるともいえます。生前葬を行う場合は、周囲にしっかり説明して理解してもらうようにしましょう。

生前葬に関する監修
仏教人生大学 講師
加藤 順節

PROFILE
真宗大谷派の僧侶として、證大寺 船橋別院所属。證大寺 銀座別院で仏教入門講座など多数講師を務めており、さまざまなテーマで仏教から人生を学ぶ講座を開催している。

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