納骨とは?納骨の意味や種類、必要な準備、マナーをわかりやすく解説

納骨とは、火葬した遺骨をお墓などに埋葬することです。最近では納骨先が多様化し、従来からあるお墓ばかりではなく納骨堂や樹木葬など選択肢が豊富になりました。納骨の方法は納骨先によって変わることがあるものの、準備やマナーは変わりません。この記事では納骨の意味について、また納骨の種類や方法、マナーなどについて紹介します。
目次
●納骨とは
●納骨の種類と方法
●納骨に必要な準備
●納骨の際の持ち物
●納骨当日の流れ
●納骨の際のマナー
●納骨に関するよくある質問
●お寺の納骨|「證大寺」の納骨
●まとめ
納骨とは
納骨とは、火葬して骨壺に収められた遺骨をお墓などに埋葬することをいいます。その際には納骨式という儀式を行い、僧侶に読経してもらうほか、遺族が焼香を行うなど「納骨式」という形を取ることが一般的です。
納骨をする意味
納骨には、故人にも遺族にも大きな意味があります。納骨は葬儀に連なる弔いの仕上げともいわれ、故人にとっては亡き後の住処であるお墓に入るということです。また遺族にとってはお墓に遺骨を納めることで、故人の死を受け入れて乗り越えるための節目となります。
納骨の歴史
日本における納骨の歴史を見てみると奈良時代に遡り、仏教伝来により火葬墓が登場したという記録があります。しかし長らく火葬は一部の富裕層のみで行われ、ほとんどが土葬で埋葬されていました。庶民の間で火葬への移行が始まったのは明治時代以降で、衛生面への考慮や埋葬場所の確保などを理由に政府が主導したためです。やがて全国に火葬場が普及し、昭和初期頃からは納骨が一般的なものとなっていきました。現代では99%以上が火葬となり、遺骨の納骨がスタンダードとなっています。
納骨の種類と方法
納骨は、一般的には骨壺に入れた遺骨を特定の場所に納めることですが、埋葬方法の多様化により、散骨など自然に還す儀式についても納骨と同様に捉えられるようになっています。以下では、納骨先の種類別に納骨方法について紹介します。
お墓への納骨
最も一般的な納骨場所は、墓や霊園にある一般墓といえるでしょう。一般墓とは墓石があり代々継承されていくお墓のことです。先祖代々のお墓などもこれに当たります。墓石の下にはカロートと呼ばれる納骨スペースがあり、この中に骨壺ごと遺骨が納められます。
納骨堂や樹木葬、合祀墓への納骨
納骨堂はその名の通り、お墓代わりに遺骨を納める屋内施設です。納骨堂にはさまざまなタイプがありますが、建物の中の決められた場所に骨壺ごと遺骨を収めるのが一般的です。
樹木葬も里山型や庭園旗など種類がありますが、決められた区画に骨壺ごと遺骨を収めることになります(合祀型や一部の樹木葬を除く)。
合祀墓は大きなお墓に他の人と一緒にまとめて祀るお墓のことです。合祀の場合は骨壺から遺骨を取り出して、遺骨だけを納めるのが一般的です。
散骨などの自然葬
自然葬とは、大自然のなかに遺骨を還して弔うというものです。里山型などの一部の樹木葬では、骨壺から取り出した遺骨を樹木の側に納めて自然に還します。散骨も海や山へ遺骨を還す自然葬の1つといえるでしょう。散骨の場合は、遺骨をパウダー状に砕いてから山や海などに撒きます。この行為も現代では納骨の一種と捉えられています。
納骨に必要な準備
遺骨をお墓などの納骨先に持って行くだけでは、納骨はできません。事前に墓地や霊園などに連絡して許可を取るなど、さまざまな準備が必要となります。以下では納骨の準備について説明します。
納骨までに決めること
まずはどこに納骨するか決める必要があります。先祖代々の墓など納骨先が決まっている場合はよいですが、お墓がない場合は、新たにお墓を建てるのか、納骨堂や樹木葬などを契約するのかなど「どこに納骨するか」を決めなければなりません。さらに納骨する供養先が決まったら、いつ納骨するか、納骨式は行うかどうか、行う場合は招待する親族をどこまでにするのかなども決めるようにしましょう。納骨を行う時期については、詳しくはリンク先の記事で詳しく紹介しているので参照してください。
>納骨はいつ行うもの?納骨の時期と手順を分かりやすく解説
納骨式の準備
納骨式を行う場合は、その準備が必要です。いつ行うか日時を決め、お墓まで僧侶に来てもらうよう依頼します。また石材店にも墓石への戒名の彫刻などを依頼します。当日の納骨作業も石材店に依頼するケースがほとんどなので、その打ち合わせも必要です。日にちの調整がついたら、親族などの参列者に日時を連絡します。また納骨式では儀式のあと参列者で会食することが多く、その手配や引出物の手配も行うことになります。
納骨を行う際の持ち物
納骨を行う際には遺骨の入った骨壺のほか、墓地使用許可証と埋葬許可証の書類が必要となります。墓地使用許可証は霊園や墓地の使用を証明する書類のことです。埋葬許可証は火葬後に火葬場から渡されたもので、骨壺と一緒に納められていることが多いです。これらがないと納骨できないので、書類が揃っているか事前に確認しましょう。また納骨式を行う場合は、遺影や位牌、お供え物、お布施、数珠なども用意するようにします。
納骨当日の流れ
納骨当日は、準備した物を持参してお墓に赴きます。納骨式を行う場合と行わない場合で流れは若干異なるので、一連の流れをそれぞれ見ていきましょう。
納骨式を行う場合
納骨式を行う場合は、参列者が揃ったら墓前でまず施主が挨拶を行います。その後、お墓の下のカロートに遺骨を納骨します。遺族が納骨作業をする場合もありますが、多くは石材店等に依頼して作業を行ってもらいます。カロートの扉が閉められた後、僧侶の読経が始まります。その後、参列者は順番に焼香を行っていきます。読経と焼香が終われば納骨式は終了となります。
納骨式後に会食を行う場合は、参列者は会食会場に移動します。その後、再度施主が挨拶を行い、献杯して会食が始まります。引出物の用意があれば、会食終了後に参列者に渡します。
納骨式を行わない場合
ごく少数派ではあるものの、納骨式を行わないケースもあります。僧侶の読経と焼香もなく、納骨だけを行うというものです。その場合はお墓のカロートに骨壺を納めて終了となります。納骨式を行わない場合でも、墓地や霊園、菩提寺などに事前に相談しておく必要があります。
納骨式を行わないという選択肢があるものの、身内だけでの納骨となった場合でも供養の意味で納骨式を行うことをおすすめします。コストが気になる場合は、会食や引出物を省略するなどすれば出費を抑えることができます。
納骨の際のマナー
納骨式は仏事でもあるので、守るべきマナーがあります。身内だけで行う場合でもマナーに配慮するようにしたいものです。
【納骨のマナー】服装について
納骨式の服装は、四十九日までに行う場合は喪服、四十九日以降の場合は平服というマナーがあります。この場合の平服はカジュアルな衣服をさすのではなく、黒やグレーなどの色味を抑えた服装のことをいいます。ただし四十九日以前でも、身内の合意があれば平服で行うこともあります。またお墓が山中にある場合などは、カジュアルでもかまわないとすることもあります。
納骨式の服装マナーについては、詳しくはリンク先の記事で詳しく紹介しているので参照してください。
>【家族のみの納骨式】服装はどうする?失礼のない服装マナー
【納骨のマナー】お布施について
仏式で納骨式を行って僧侶に読経を依頼した場合は、お布施を用意します。お布施は奉書紙に包む方法もありますが、白封筒や不祝儀袋でもかまわないとされています。お布施を袱紗に包んで持参し、式の前または後に僧侶に渡します。またお寺とお墓が離れている場合は、御車代も用意するようにしましょう。納骨式後の会食には、僧侶にも同席をお願いするのが通例です。僧侶が参加を辞した場合は御膳料を用意して包みます。御車代や御膳料はお布施と一緒にせず、別々に包むのがマナーとなっています。
【納骨のマナー】その他
納骨式では施主が挨拶をすることになりますが、その際は忌み言葉を避けるようにしましょう。忌み言葉とは、死を連想させる言葉のほか、「重ね重ね」「いろいろ」など不幸が重なることを連想させる言葉などがあります。事前に挨拶文を作ってチェックしておけば安心です。
納骨式に参列しなかった方へのマナーも欠かせません。家族のみで納骨式を行った場合や、やむを得ない事情で参列できなかった方がいれば、納骨式後に挨拶状を送るようにします。メールや電話ではなく手紙で送るのが原則となっています。
納骨に関するよくある質問
納骨に関するよくある質問をまとめましたので、参考にしてください。
納骨にかかる費用は?
どのような規模で行うかによって費用は異なるものの、納骨式を行い、一般墓に納骨するときの費用相場は25万円程度とされています。内訳は墓石への彫刻料が5万円程度、僧侶へのお布施が5万円程度、会食費(20人程度が参列する場合)が10万円程度、引出物代(親族10家族分)5万円程度が目安とされています。納骨式と同時に四十九日法要や開眼供養を行う場合は、その分をプラスしたお布施を包むことになります。
納骨できない遺骨はある?
お通夜も葬儀もなく火葬のみで儀式を行わない直葬の場合は、お寺によっては納骨を断られるリスクがあります。菩提寺の宗教観によりますが、厳密に仏事を行うことを是としている場合は直葬を快く思わないこともあるからです。直葬にしたい場合は、事前に菩提寺に相談しておくようにしましょう。
納骨先でお悩みなら|證大寺
写真:證大寺(江戸川)の浄苑納骨堂
東京都江戸川区にある證大寺は、浄土真宗大谷派の寺院です。お寺にある墓地のほか、埼玉県と千葉県で昭和浄苑という霊園を直接運営しています。3箇所ともさまざまな種類のお墓があり、一般墓はもちろん永代供養墓や樹木葬、納骨堂など選択肢が豊富です。真宗大谷派のお寺ですが、過去の宗旨宗派不問で檀家にならずに入れるお墓、後継ぎがいなくてもよい永代供養付きのお墓もあります。納骨先を探している場合は、證大寺や2つの昭和浄苑のお墓を検討してみてはいかがでしょうか。
詳しくは下記のリンク先をご参照ください。
證大寺 江戸川:https://edogawa2.eitaikuyou.life/
森林公園 昭和浄苑:https://higashimatsuyama2.eitaikuyou.life/
船橋 昭和浄苑:https://funabashi2.eitaikuyou.life/
まとめ
故人の遺骨をお墓に納める納骨は、故人にとっても遺族にとっても節目となります。納骨する時期には特に決まりはないため、どのタイミングで行うかは、家族で話し合って決めてかまいません。とはいえ納骨式は仏事であるため、準備が必要で気をつけるべきこともたくさんあります。事前に流れやマナーを知ることで、心にゆとりをもって臨めるようにしてください。